前回は「日本の立ち位置 1|世界における日本」の話でした。

安倍元首相の突然の暗殺から、まもなく一月。
自民党中枢部と深い関係が取り沙汰されている旧統一教会。
このこともあってか、岸田首相は大幅な内閣改造に今週踏み切る予定です。
「旧統一教会との関係点検を指示」とのことで、旧統一教会と関係を持った閣僚・自民党役員は一掃される見込みです。
この中、早々に鈴木財務相らの留任が、「ほぼ内定」しました。

故 鈴木善幸首相の長男にして、義兄は麻生太郎副総裁という「政界のサラブレッド」。
「政界のサラブレッド」ですが、とても「経済・財政のプロ」とは言い難い方です。
そもそも、出身は早稲田大学教育学部で、経済・財政とは無関係です。
そして、その後父 鈴木善幸氏の地盤を引き継いで36歳で衆議院選挙に当選します。
しかし、「大学卒業から36歳までの初当選までの経歴」が、本人のHP・Wikipedia等でも記載ありません。
経済・財政に関わる仕事をしていたなら書くでしょうし、そうではないのでしょう。
第二次世界大戦の日本海軍では、「先任順序」という軍令承行令があり、「適材適所」とは正反対の「年功序列」でした。
この歪な海軍の人事は敗戦まで続き、敗戦の大きな一因にもなりました。
「トップはプロ」であることが当然であり、ずっとそうしてきた欧米。
ブラウン大学経済学部を優秀な成績で卒業後した、米国のイエレン財務長官。

ハーバード大学准教授、エコノミストなどを歴任した経済・財政のプロ中のプロです。
現在、英国でトラス外相と新党首・首相を争っている、スナーク前財務長官。

スナーク前財務長官は、オックスフォード大学卒業後、スタンフォード大学経営大学院でMBAを取得。
その後、ゴールドマン・サックスなどに勤務した、金融・経済の最前線で活躍した人物です。
対して、鈴木財務大臣。
どうやっても、彼らと比較すると遥かに見劣りするのが、現実です。
これもまた、日本の「トップは、プロでなくても(誰でも)良い」ということなのでしょうか。
やはり、「トップはプロ」であるべきです。
現在の衆議院議員にも「経済・財政のプロ」は、たくさんいます。
例えば、東大法学部卒業後、JPモルガン証券で金融の最前線を戦い、取締役副社長にまでなった、中西けんじ氏。
彼のような「金融・経済のプロ」こそ、財務大臣になって欲しい。
中西氏以外にも、様々いらっしゃるでしょう。
「トップはプロ」という当たり前の姿勢。
円安傾向が続く中、具体的な対策を打ち出せるのは、「実際に金融・財政を経験したプロ」しかありません。
決して良い状況とは言えず、むしろ沈みつつある日本の立ち位置。
この危機だからこそ、「派閥がどうの」ではなく「プロをトップに」と岸田首相には断行して欲しい。
そういう姿勢を打ち出すことは「日本も変わってきたな」と海外に大きくアピールすることになります。
長期的・短期的側面の両方において、日本の国益につながるでしょう。