前回は「日本の規則と前例主義 3」の話でした。
今回は、欧米における「ルール」の話です。
以前、ヨーロッパのある賞に応募した時のことです。
もちろん締め切りがあるのですが、準備の関係で「締め切り最終日」の提出を考えていました。
世界中から応募が集まる賞なので、この締め切りには日付と同時に、「ロンドン時間の〜時」と明記されています。
「GMT=グリニッジ標準時」です。
時差の関係で、ヨーロッパよりも日本の方が時間が先に進みます。
そのため、日本時間で「締め切り日」の夕方までに提出すれば大丈夫なので、その予定でした。
準備万端で「さあ提出!」と提出のwebsiteに行くと、”closed”になっています。
「あれ?おかしいな?」と色々と試してみましたが、ダメです。全然応募できません。
「しまった。やはりギリギリに応募しようと思ったのが、そもそも間違いだったのかな。」とガッカリしました。
折角一生懸命に応募資料も整えたのに、残念です。

再度、締め切り日の記載されたページをじっくり読んでみます。
やはり僕は間違ってなさそうです。
「おかしいな。」と思って、パソコンの前でしばらく画面を見つめて悩みます。
しかし。悩んでいても仕方ないので「一応、問い合わせ先にメールで聞いてみよう。」と考えました。
欧米のサイトは、ほぼ全てに問い合わせ先のメールアドレスが明記されています。
そして、問い合わせのメールに”Dear・・・・・・”と丁寧なメールを送ってみました。
「どうせ『締め切りました』で終わり」かな、と思いました。
あるいは、「メールの返信は、来ないのではないだろうか」と。
いずれにしても、なかなかこういうことは聞きにくいものです。
特に日本人的発想では、「締め切ってしまいましたか?」とは聞きにくいものです。
でも、「ダメでもともと」で意を決してメールを打ってみました。
こういう時に、電話では聞きにくいですが、すぐに文章できちんと尋ねることが出来、メールは便利です。
いまだにFAXが、実社会の大部分で使われている日本。
海外、特に先進国では、FAXからメールにほぼ完全に移行しています。
手間も管理もしにくいFAXが幅をきかせ、規制や前例主義ばかりの日本社会。
日本は、世界からどんどん遅れをとってしまうと思います。