前回は「英国の未来 9|世界情勢」の話でした。

昨日、突如発表されたトラス英首相の辞任。

在任わずか45日で、史上最短の英首相となりました。
大減税に大きな批判が高まり、ほぼ全て撤回に追い込まれたトラス政権。
直後には内相が突然辞任し、トラス政権は大混乱に陥っていました。

とは言え、ここまで早期に辞任を発表することは、想定外でした。
外相としてロシアに対して非常に強気姿勢を貫き、欧州各国と協調姿勢を貫いてきたトラス首相。
保守党は早期に次期党首=首相を決定する方針です。
立候補には「100人以上の議員推薦」が必要であり、立候補は最大3人に絞られます。
立候補にはジョンソン前首相、スナーク元財務相などが挙がっています。

ジョンソン前首相の政治的力量は卓越しており、世界政治にとってはジョンソン英前首相が望ましいと思います。
ただし、わずか3月前に辞任したばかりで、再び登板することを「英国民がどう思うか」は難しいところです。
一方で、この大混乱の英国において、他の人物が「英国・英政府をまとめて行けるか」も難しいところです。
ジョンソン英前首相が「国益のために、立候補に前向き」との報道もあります。
混乱をまとめる非常に大きなパワーを有するのは、ジョンソン英前首相かも知れません。
中国では不動産市場の危機が高まっており、中国経済の先行きに対する疑念が深まっています。
堅調な米国ですが、米国経済の先行きを不安視するエコノミストが増えています。

あまりに急速に利上げをしてきたFRBは、今後も利上げを続ける姿勢です。
しかし、GDP世界6位という立場以上に、金融立国として世界に大きな影響力を持つ英国の大混乱。
世界中が混乱の中、「異常なドル高」は世界経済・米国経済にとって非常に悪影響があります。
ここで金利引き上げに「少しブレーキをかける」のが望ましく、金利引き上げは混乱をもたらすと考えます。
さらに混乱が深まる世界情勢と世界経済。
FRBの方針次第であり、さらに市場は過敏になり、「上下しながら様子見」となりそうです。