「申し訳御座いません」の是非 1|社会問題

 前回は「日本のあるべき教育の姿とは? 4」の話でした。

今回は「申し訳御座いません」の話です。

日本人ほど「謝る」のが好きな民族は、いないのではないでしょうか。

なんでもすぐに「申し訳御座いません」となります。

不祥事を起こした企業のトップなり責任者が記者会見する時。

決まってまず直立不動で起立してガバッと一斉に頭を下げて、「この度は申し訳御座いませんでした!」で始まります。

こういう絵は海外の不祥事では、まず見受けられないことで、「非常に日本らしい」現象だと思います。

問い合わせなどで、何かと「申し訳御座いません」を、連呼されることが多い話をしました。

問い合わせ電話で「申し訳御座いません。」「申し訳御座いません。」と連呼されて、こちらの要望が全く通らないのは、ストレスしか残りません。

謝られても何もならないのです。

海外と電話やメールなどでやりとりしていても、「申し訳御座いません」みたいなニュアンスが出てくることは、ほとんどないです。

「謝るのではなく、なんらかの対処を考えることの方が大事」という認識が通念としてあるように感じます。

「謝られている方」に、とっても遥かにメリットがあります。

前例主義ばかりの日本に対して、すぐに対応しようとする欧米との大きな違い。

欧米の方々はは、間違いがあっても謝るのではなく、対処法を考えようとする傾向にあります。

対して、日本人は「まずは謝る」という感じがします。

社会通念として、「まずは頭を下げるべき!」という感じがあります。

しかし、頭を下げるのは相手に対して「負けている」を自ら認めることになります。

混迷を強めるウクライナ問題。

各国首脳が「どのようにまとめて、ロシアとウクライナの停戦に持ってゆくか」で頭を悩ましています。

欧米側の観念では、「プーチン大統領が悪い」ことになります。

しかし、プーチン大統領は「謝罪する」なんて考えもしてないでしょう。

Vladimir Putin露大統領(Wikipedia)

外交の場で、各国首脳は実に堂々と「私の考え」や「自国の立場」を主張します。

対して、日本の首相が「堂々と外国に主張する」光景は、あまり見られないことです。

外交や国際社会においては、「謝ったら負け」であることを、海外首脳・幹部はよく承知しているのです。

Boris Johnson英首相(Wikipedia)

「申し訳御座いません」と、電話等で言われることがよくあります。

「謝らなくていいですよ。別にあなたが悪いわけではないのですから。」と言うことが多いです。

本当に相手が悪くて「謝られる」ならば、まだ分かります。

「悪くない」相手の方に謝られても、こちらが困ってしまうのです。

「すぐに謝罪するのではなく、対処法を考えて、然るべき手を打つこと」が非常に大事です。

この「すぐに謝罪する」風習・文化は、日本が国家として見直すべきと考えます。

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