前回は「アジアの未来 4〜日豪新安保宣言・豪州と英国・揺れる英国〜」の話でした。
韓国の最先端科学技術
最先端科学技術で目覚ましい進化を続ける韓国。
世界初の「5G自動ロボット」を、社内限定で稼働させています。
最先端科学技術・ITで世界最先端を走り続ける米国。
第二次世界大戦前くらいから、米国の科学技術における優位が確立しました。
20世紀初頭までは、世界の科学技術の最先端は間違いなく欧州でした。
特に、ドイツの科学力は非常に高く、著名な科学者を多数輩出しました。
ベルリンは「世界の科学・サイエンスの中心」とも言える存在でした。
あのアインシュタインも、元々はドイツ出身で、ナチスに追われて米国に行きました。
戦後もベンツ・BMW・フォルクスワーゲン・ポルシェなど「自動車といえばドイツ」という存在です。
ドイツの苦境
そのドイツの苦境が目立ってきました。
ハンブルクのドイツ最大の港湾の権益を、中国の海運大手に24.9%渡しました。
過半数をハンブルク市が握っているものの、1/4を中国企業に渡すことは、尋常ではありません。
これから企業幹部を連れて中国へ向かうショルツ独首相。
中国側の強い要望を受け入れる立場を明確にしました。
100年前の1922年では、考えられない状況となったのです。
長年、中国と友好関係を保ってきたメルケル前首相。
ウクライナ戦争において、ロシアとの対決姿勢を強める欧州において、ドイツは政策方針を転換しました。
ロシアとの関係が非常に顕密な中国と距離を取り始めていました。
ところが、ロシアによる「天然ガス停止」によって、ドイツ全体が苦境に陥っています。
スナク新政権発足
新たにスナク政権が発足した英国。
100年前は、「世界一の座」を米国にとって変わられたとはいえ、広大な植民地を有した超大国でした。
今年に入って、3人目となる英国首相。
サッチャー元首相、ブレア元首相たちと比べて、ここ20年は少し大人しめの首相が続きました。
欧州・米国に対して、明確に力をつけつつある中国・韓国・インド。
対して、日本は1990年頃以降、「失われた30年」と言われる事態となっています。
中国のバブル崩壊が「起こりつつある」と言われる中、3期目に入ったXi Jinping(習近平)国家主席。
アジアの中心軸が中国になってから、20年以上。
日本もまた、明確な方針をはっきり示さねば、いよいよ遅れを取りそうです。
昨日の米国株は、企業決算が思わしくなくNasdaqは2%ほど下落しました。
FRBの利上げは、年末頃には少し落ち着くと思われます。
「2023年にリセッションに入る」と言われている世界経済。
その行方に対し、アジアの科学技術・経済は大きな影響を持ちそうです。