前回は「ロシアと欧州 4〜フランスのロシアに対する強い非難・トラス新政権の英国の方針・英仏エネルギー協力・調整続く米株価と急速なドル高〜」の話でした。
目次
LSGパイプライン停止と欧州の苦境

ロシアによるLSGパイプラインの停止で、欧州の苦境が進んでいます。
Reuters Japan

アングル:ドイツを襲うエネルギー危機、広がる企業倒産の波
ドイツのデュッセルドルフを拠点にトイレットペーパーを製造するハクレは1928年創業の老舗企業だ。それが今年夏のガス料金高騰で、あっさり倒産してしまった。
急激なガス料金高騰となったドイツでは、老舗企業が倒産する事態にまで発展しています。

天然ガスのロシアへの依存が、非常に高かったドイツ。
8月のガス料金が前年比139%上昇し、「急激な上昇」を超えて「脅威的な上昇」となっています。
彷徨う英国:ポンドの大幅下落

新たに発足した英国トラス政権。
BBCニュース


英ポンドが大幅下落、トラス新政権の減税政策に懸念 – BBCニュース
23日の外国為替市場で、英ポンドが対ドルで37年ぶりの安値を付けた。リズ・トラス新政権による過去50年で最大規模の減税政策に、多くのアナリストが懸念を示している。
過去50年で最大規模の減税政策を発表し、ポンドが大幅下落しました。
この減税政策はトラス首相の公約であり、「公約を守った」首相。
厳しいインフレが続く英国・欧州において、「公約を守る」首相に対して英国民の多くは安心しました。
これから、英国経済は苦難の道となります。
「天然ガスの代わり」として、石炭に注目が集まり、アフリカが活況に湧いています。
Reuters Japan

焦点:戦争長期化で石炭に「最後のブーム」か、アフリカに活況
のどかな空気の漂うタンザニアのムトワラ港では、昨年末まで、主な貨物と言えばカシューナッツだった。だが最近では、石炭を満載する船舶が忙しく行き交う。ロシアによるウ…
ロシアの部分動員令:冷え込む市場心理

プーチン大統領によるロシアの部分的動員令。
欧州とロシアの関係は、さらに遠のき、欧州のエネルギー危機が続きます。
このロシアの動きが、FRBの「急速に金利を引き上げる」強気政策が発表されたのと同時期でした。
あわせて読みたい
欧州各国の経済状況の悪化が続く中、米国株価下落が同時期になりました。
そして、市場心理は冷え込みを続けています。
欧州一の経済大国・ドイツの大きな経済混乱により、欧州市場は当面下落しそうです。
米国株価もまた、市場の予想を下回る動きを見せる可能性が高いです。
Dowもまた一時的に下落し、早期に29,000を下回ると考えます。