アジアの未来 4〜日豪新安保宣言・豪州と英国・揺れる英国〜|アジアと世界

前回は「アジアの未来 3〜台湾と米国・TSMC・「日本の一部」だった台湾・FRBの視線〜」の話でした。

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日豪新安保宣言

Anthony Albanese豪首相(Wikipedia)

日豪が新たな安保に署名しました。

太平洋地域における安全保障協力に加え、天然ガスなどのエネルギーを豪州から日本が購入する協定を強化しました。

太平洋・インド洋で支配を強める中国。

Xi Jinping(習近平)国家主席(Wikipedia)

Xi Jinping(習近平)国家主席の3期目続投が正式に決定しました。

「3期目」は異例であり、建国の父であるMa Zedong(毛沢東)初代国家主席以来の強権を持ちます。

Ma Zedong(毛沢東)初代国家主席(Wikipedia)

現代中国において、完全に「別格」の存在のMa Zedong(毛沢東)初代国家主席。

Xi Jinping(習近平)国家主席は、その存在に並ぼうとしています。

豪州と英国・欧州

この中、オーストラリアとの提携を日本が進めることは、非常に大事なことです。

オーストラリアは、欧州・アフリカ・アジア・・・などの地政学的分け方では、オセアニアという独立した存在です。

一方で、「太平洋を囲む国の一つ」としては、「アジアの一角」としても考えられます。

文明的には、明確に欧州側になります。

1921年の大英帝国の版図(Wikipedia)

そもそも、大英帝国(英国)の植民地の一部であった豪州。

1901年に事実上独立し、英国自治領として連邦を形成しました。

第二次世界大戦の際には、英国に従属する形で連合国側として戦い、日本とも熾烈な戦いを繰り広げました。

大日本帝国の敗戦時の領土(第二次世界大戦全史 洋泉社MOOK)

当時、日本は豪州本土へ攻め込むことも検討していました。

ところが、米軍の反撃により、豪州本土へはいけなかったものの、豪州北方の諸島は占領しました。

広大な国土を持ち、巨大なエネルギーを保有している豪州。

中国に対する日豪関係、そして台湾との関係が太平洋の将来を左右しそうです。

揺れる英国:ジョンソン元首相かスナク元財務相か

その豪州の宗主国であった英国は、大いに揺れています。

この混迷の時期は、ジョンソン元首相くらいのパワーでなければ、乗り切れない状況の英国。

スナク元財務相が党首選では先頭に立っており、「ジョンソン元首相かスナク元財務相か」となっています。

猛烈な勢いのインフレと、それに追随するかのような金利上昇が英国という大国の政権を倒しました。

英国新首相は、当面は財政緊縮路線に進むしかない状況で、英国は混乱を鎮めることで精一杯でしょう。

そして、英国の成長は当面難しそうです。

Jerome Powell FRB議長(Wikipedia)

FRBが「12月の利上げをどうするか」が経済・株価に大きな影響を与えそうです。

1月前には誰も考えていなかった「英国政権が倒れる」事態となり、判断は非常に難しくなります。

12月には少しペースを落とさざるを得ない中、米経済・株価は、年末に少し回復基調になりそうです。

新地球紀行

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