アジアの未来 3〜台湾と米国・TSMC・「日本の一部」だった台湾・FRBの視線〜|アジアと世界

前回は「アジアの未来 2〜北朝鮮長距離弾道ミサイル・専守防衛・大東亜共栄圏・ポンド急落〜」の話でした。

目次

台湾TSMC:熊本新工場

Tsai Ing-wen(蔡英文) 台湾総統(Wikipedia)

台湾が国際政治・経済の中で、動きを活発化しています。

半導体受託生産で世界最大手の台湾TSMC。

熊本で新工場建設が進められる中、さらに日本での生産増強の方針を明らかにしました。

「地政学リスク=中国の動き」へのリスク低減が目的ですが、日本との関係強化も大きな理由です。

Joe Biden米大統領(Wikipedia)

さらに、米国と台湾が「兵器共同生産」の方向性を発表しました。

米国が台湾へ「兵器を売却」するだけでも、中国が不快感を露わにする中、「共同生産」は大きな進展です。

日米は様々な分野で兵器の共同開発をしていますが、それとは大きく異なります。

台湾と中国

Xi Jinping(習近平)国家主席(Wikipedia)

しかも、Xi Jinping(習近平)国家主席が「3期目続投」を目指す党大会開催中の発表です。

中国が大いに反発することは確実で、米国・台湾ともに強い意志が感じられます。

Antony Blinken米国務長官(Wikipedia)

かつて、Barack Obama米大統領が「米国は世界の警察ではない」と発言した時とは、大きな違いです。

ロシア・中国に対して、非常に強い姿勢のAntony Blinken米国務長官の意思も垣間見えます。

「日本の一部」だった台湾

大日本帝国の敗戦時の領土(第二次世界大戦全史 洋泉社MOOK)

1895年に清国(中国)と戦争の結果、台湾の領有を開始した日本。

以後、1945年まで50年間、植民地というよりも「日本の一部」として領有を続けました。

後藤新平 元内相・外相・満鉄総裁 (Wikipedia)

医師であった後藤新平 元内相が台湾総統府に事実上のNo.2の民政局長官に就任。

台湾を征服するのではなく、台湾のインフラを改革し、同地の環境・治安を著しく向上させました。

当時、東大などが「帝国大学(帝大)」と呼ばれている中、台湾と朝鮮には帝大が設置されていました。

この中、日本に留学の経験あり、日本語も堪能なLee Teng-hui(李登輝)元台湾総統。

Lee Teng-hui(李登輝) 元台湾総統(Wikipedia)

Lee Teng-hui(李登輝)元台湾総統は、大変な親日家で、日本人としては大変喜ばしい存在でした。

ウクライナでは、ロシアのインフラ攻撃により、冬に向け非常に困難な状況が続きます。

世界各国との連携を強めてゆく米国。

さらに軍事・科学技術の大きな発展が見込まれます。

米企業の収益悪化:FRBの視線

急速な利上げにより、収益が非常に悪化している米企業。

堅実な発展にも関わらず、ドル高が輸出の収益を大きく損なっています。

強気の姿勢を崩さないFRBは、つづけて75BPの利上げを目指しています。

一方で米国が利上げすればするほど、異常なドル高がさらに続き、米企業の業績が悪化する事態。

経済大国であり、本来大きな力を持っているはずの日英。

日本は動きが鈍く、英国は政治の混乱が続いています。

主要通貨でもあるの円・ポンドは、対ドルで下落するしかありません。

利上げしてCPIに歯止めをかけようとしても、ドル高がさらに強まっては、世界経済の混乱を招きます。

一度、FRBは利上げ引き上げを少し緩和して、様子を見るべきと考えます。

昨日やや下落したDowなどの米株は、しばらく様子見で調整が続き、FRBの姿勢次第と考えます。

新地球紀行

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