前回は「世界の危機 6〜異常気象の猛威〜」の話でした。
欧州の異常気象
2022年夏に異常な暑さを記録した欧州各国。
今度は、真冬の1月に「観測史上最高気温」が各地で観測されています。
オランダ・ポーランド・デンマークなどで国内観測史上記録を大きく更新する異常事態となっています。
一方で、北米では兼ねてから異常な寒波が続いており、猛烈な大雪が続いています。
「異常に暖かい地域」と「異常に寒い地域」が世界中で発生する事態となっています。
これは、「地球温暖化」というよりも「人為的理由による異常気象」と考えるのが良さそうです。
非常に大規模な熱波・寒波の発生は、世界中の生活を脅かす最大の危機の一つとなっている事態です。
2023年の世界的景気後退懸念
ロシアによるウクライナ侵攻はこう着状態が続き、先が見えません。
世界中が危機の中にあることを、明確に意識してそれを抑制する必要があります。
しかし、世界経済の状況が思わしくない環境が見込まれています。
昨年から「2023年の世界的景気後退」の懸念が大々的に伝えられてきました.
現在も「大手銀行のエコノミストの2/3以上」が、2023年のリセッション入りを予想しています。
これが「当たるのか、外れるのか」は誰にもわかりません。
実際に、2022年の大きな株価下落を予想できたエコノミストは極めて少ないと考えられます。
リセッションという大きな流れを、これだけ多くのエコノミストが予想する事態もまた異常事態です。
昨年8月に復調傾向にあった米株は、その後下落を続け、Nasdaqは「コロナ以前と同等」になりました。
あまりに下落した世界中の株価は、欧州・中国株などで反転の兆しを見せています。
不安定な米国株
一方で、米国株は下げたまま動きが少ない状況です。
中でも「需要後退懸念」で下落を続けている原油先物は、昨日5%以上も急落する事態となりました。
この値段でも「まだ高め」の基準ですが、2日間での急落水準は1991年ぶりで、30年なかった事態です。
ロシアのウクライナ侵攻で急騰した原油先物は、世界の不透明な先行きから、さらに下落すると考えます。
あまりに急速に上昇したインフレに対して、あまりに急速に引き上げたFRB政策金利。
この異常な政策金利引き上げが、市場の混乱の大きな要因となっています。
異常事態に対して、異常事態で応じたFRB。
異常な動きを封じ込めるために、「異常な対策実施」は、物理的には混乱をもたらす方向になります。
FRBは近い将来に、利上げ傾向を緩めざるを得ないと考えます。
FRBのタカ派傾向が続く時、2023年のリセッションはさらに確実になる方向と考えます。
株式市場の過敏さは当面続き、一時的に大きな上昇と大きな下落が発生しそうです。
次回は上記リンクです。