前回は「円安と日本の進路〜急激な円安と弱まる実行レート〜」の話でした。
ウクライナ侵攻から一ヶ月

ロシアによるウクライナ侵攻から30日、一ヶ月が経過しました。

BBCによると、ロシア軍の死者は「ロシア公表で1351名」です。
対して、ウクライナ軍・米国諜報機関によると「死傷者が15000名ほど、死者数はその約半数の7500名ほど」です。
いずれにしても、ロシア側が当初考えもしなかったような甚大な被害です。
こう着状態にあると考えられるロシアによるウクライナ侵攻。
ロシア軍は首都キーウなどでウクライナ軍の反撃を受けているものの、北東部などで占領地域を広げています。

画期的なカナダの支援:進まぬ停戦協議
ロシアとウクライナの停戦協議は、進んでいません。
プーチン露大統領が「クリミア半島のロシアの正式な主権承認」等の要求を下げていません。
そして、停戦協議をゼレンスキーウクライナ大統領が拒否している状況です。

当初想定とは全く異なる事態となり、大きな修正を迫られたロシア軍は、「計画縮小示唆」とも取れる発表をしました。
この中、バイデン大統領はポーランド駐在の米軍を訪れ、米軍を激励しました。
米軍は表立って戦闘に参加していないものの、武器供与・諜報提供で大きな力になっています。

米国などが難民支援などの積極的なウクライナ支援を表明する中、トルドー加首相が大きな支援を発表しました。
「ウクライナ人、またはどの国籍であってもその近親者は、カナダに最長3年間一時滞在できる」方針を発表したカナダ政府。
すでに2万人以上が申し込んでいます。
「難民受け入れ」とは異なる形での「受け入れ」は、画期的な考えです。
欧州などの国で同様な政策を実施する可能性が高いと考えられます。
見えない日本の方針

アジアにおいて、相変わらず「最も方針が見えない国」である日本。
日本はこれら「難民受け入れ」の方針をまだ出せないでいます。
「前例がない」だけに「前例重視の日本政府・社会」では、なかなか難しいのかもしれません。
「前例があるかないか」は考えようによっては、西側の合理的発想においては
前例?
国際情勢がこれほど、
変化しているのだから、前例はないだろう・・・
前例があるか、ないか、なんて、
どうでも良いだろう・・・
でしょう。
混迷のこの時期、日本円が急落しているのも、日本の姿勢と大きな関わりがあります。
「日本の方針が見えないこと」による世界の「日本に対する信用の低下」が通貨に表れているとも言えます。
早急に、難民受け入れに関して、日本政府は世界に提示する必要があると思います。