太平洋の未来 3〜台湾とAUKUS・米台関係・大久保利通・台湾出兵〜|世界戦略

前回は「太平洋の未来 2〜中国と台湾〜」の話でした。

左上から時計回りに、Rishi Sunak英首相、Joe Biden米大統領Anthony Albanese豪首相、Tsai Ing-wen(蔡英文) 台湾総統(Wikipedia)
目次

活発化する太平洋

世界中がウクライナにおける戦争に注目する中、太平洋の動きが活発化しています。

台湾の「Tsai Ing-wen(蔡英文) 総統が、中米訪問の「経由地」として米国ニューヨークを訪問し、講演しました。

米台関係は、
かつてないほど緊密!

とハッキリと話したTsai Ing-wen(蔡英文) 台湾総統。

台湾総統がこういうことを「主張する」ことと、「米国NYで講演する」ことには大きな違いがあります。

それは「米台関係は、かつてないほど緊密」という「台湾の考え」。

それを「米国が支持している」ことになるからです。

すかさず、中国はTsai Ing-wen(蔡英文) 台湾総統の米国への入国の批判を続けています。

そして、中国は、

深刻な対立を招く!

と警告しました。

左上から時計回りにXi Jinping(習近平)中国家主席、Yoon Suk Yeol韓国大統領、岸田首相、Tsai Ing-wen(蔡英文) 台湾総統(Wikipedia)

台湾と中国

「台湾は中国の一部」という主張を頑なに続けてきている中国。

そもそも、「台湾という国家」に関しては、BBCの解説が非常に良くまとまっています。

アジアにおいて「中華思想・主義」を長年貫き続けた「世界一の大国」中国。

実際に、1800年代中頃まで中国のGDPは世界一でした。

そして、アヘン戦争・アロー戦争(第二次アヘン戦争)で大英帝国に敗れ、凋落が始まった中国。

この頃、明治維新を迎え、急速に台頭した国が日本(大日本帝国)でした。

そして、台湾で日中の大問題が発生しました。

1871年、「中国領」であった台湾に漂着した「日本人」である宮古島民54人が殺害されました。

内務卿 大久保利通(Wikipedia)

これに激怒したのが、当時の「事実上の内閣総理大臣」であった大久保利通 内務卿。

台湾を「統治している」なら、
清国に責任取ってもらう!

日本と中国(清国)

そして、清国に「台湾での日本人殺害」の責任問題を正式に突き付けます。

我が国の
国民を殺害して、どうしてくれるのだ?

凄まじい剣幕で、清国(中国)に問いただす大久保。

対して、清国政府は、

台湾は「化外の地」で、
清国政府は関係ない!

なんと、台湾は「化外の地」であり、関係ないことを日本政府に通告しました。

なんだと!!!

激怒した大久保内務卿は、

台湾へ
出兵だ!

事件発生3年後の1874年、台湾出兵を強行したのでした。

満州人が建国した清国は、現在の中国共産党の漢民族とは全く異なる民族です。

清国 (Qing Dynasty):1820年頃 Wikipedia)

とはいえ、清国が主張した

台湾は
「化外の地」だ!

という主張は、中国共産党の

台湾は
中国の一部だ!

とは完全に相反します。

今や世界の半導体製造の過半を占め、非常に大きな存在感のあるTaiwan・台湾。

台湾と中国の間の「難しい関係」の未来は、どうなるのでしょうか。

太平洋の新たな主軸となりつつある、米国・英国・オーストラリアによるAUKUS。

このAUKUSに台湾が加わることも、将来的に考えられます。

その時、太平洋の地政学は大きな変動を迎えそうです。

新地球紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次