アジアの未来 6〜アジアと中国・揺れる中国の成長モデル・急成長した中国の大学のレベル・中国・インドの躍進〜|アジアと世界

前回は「アジアの未来 5〜韓国の最先端科学技術・ドイツの苦境・スナク新政権発足〜」の話でした。

目次

揺れる中国の成長モデル

Wang Yi(王毅)中外交部長(相)(Wikipedia)

中国を狙い撃ちした、米国の半導体技術の輸出規制。

Wang Yi(王毅)中外交部長は激しく反発し、ブリンケン国務長官に電話会談で抗議しました。

これまで米国の最新技術を上手く導入して、かつて低かった人件費と広大な土地で戦略的に製品を大量生産した中国。

このモデルで、ここ30年ほど急成長してきました。

日本も、かつては似たような状況にありました。

それは、20世紀初頭までは欧米の科学技術が、アジアとは比較にならないほど進んでいたことが理由です。

戦後、米国に軍事的に守られ、米国の保護化の元に経済成長・技術成長した日本。

日本とは大きく異なり、米国とは長く対峙する姿勢を貫いている中国。

経済的なこともあり、最先端技術輸出は米国も認めてきました。

そして、ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う中国の強硬姿勢に対して、睨みを効かせる米国。

ついに、最先端技術輸出の規制に踏み切ったのです。

左上から時計回りにJoe Biden米大統領、Narendra Modi印首相、Xi Jinping(習近平)中国家主席、岸田首相(Wikipedia)

これは、バイデン大統領にとって、「共和党有利」と言われている中間選挙の対策でもあります。

急成長した中国の大学のレベル

中国が、かつての日本と異なるのは、技術輸入しただけではありませんでした。

その間に、中国国内で著しい最先端技術研究が行われ、中国の大学のレベルも非常に上がりました。

そして、今年ついにUS NewsによるGlobal Best University Rankingの数で、中国が米国を抜いて世界一位となりました。

比較しているのは数であり、質はまだ米英が強力です。

トップ10は米英で、Harvard,MIT,Oxford, Cambridgeなどが並ぶ光景は変わりません。

中国のTsinghua Universityは23位、Peking Universityは39位です。

対して、日本は東大が81位で、京大は140位と100位圏外となりました。

この世界大学ランキングには、様々な機関が独自指標で発表しているので、機関によって大きく異なります。

中国・インドの躍進と日本

かつては、アジア最強国だった日本は、様々な面で中国に負けている状況となりました。

この中、世界中で金利引き上げが行われる中、マイナス金利政策を続ける日本。

著しい円安を引き起こし、この10年で「ドルでの購買能力が半減」しました。

かつては経済力・科学技術力で世界で光を放ってきた日本。

もはや、その両方で光を失ってきており、その反面で中国・インドなどが躍進を続けます。

Narendra Modi印首相

日本も少なくとも0.5%程度まで金利を早急に引き上げないと、深刻な事態になりそうです。

ハイテク企業の株安が続く米国。

最も大きな理由は「一時上がりすぎていた」ことで、「上がりすぎの調整」とも言えます。

Dowは復調の傾向にあり、ハイテク企業もクラウド以外の先端技術次第で、再び復調して高値に行くと考えます。

新地球紀行

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