前回は「異常な「円安誘導」続ける日銀〜日本国を安売りして株価暴騰誘導・全員東大卒の日銀総裁と副総裁・多様性ゼロの組織・「影響力が強い」日銀総裁と副総裁〜」の話でした。
年内利下げを目論むFRB:米国らしい合理的発想
パウエルFRB議長が、「年内利下げの方向性」を証言しました。
年内の利下げが適切とする
FRBの予想は変わらない・・・
と「従来の方針」を堅持する方向を明確にしました。
その一方で、
インフレが持続的に鈍化している証拠を
さらに確認したい・・・
として、「インフレの鈍化確認」が前提であることをハッキリ証言しました。
このパウエル発言は、大方の予想通りです。
一方で、「証拠を確認しなければ利下げしない」という米国的合理性を明示しました。
この「証拠確認後の実行」を、ハッキリ伝えた意味は大きいと考えます。
2023年に猛烈な勢いで政策金利を上昇させたFRB。
2005年頃も、同様に強い勢いで利上げしましたが、その直後にリーマンショックが起きました。
その結果、「金利を急速上昇させて、すぐに急速降下」させた歴史があります。
このように、ジェットコースターのように金利を操るFRB。
我がFRBが米国経済の
行方を握っているのだ!
という強い信念を感じます。
米CPIの行方
2022年に強烈な勢いで上昇を続けた米CPI。
最も大きい上昇は9%ほどに達し、異常事態を超えて非常事態となりました。
このCPIの伸びは
絶対に抑えねばならない!
と考えた、FRBは猛烈な勢いで政策金利を上昇させて、CPIは急速に低下しました。
それでも、「目標の2%」を上回り、直近の2024年1月は「3.1%の上昇」となりました。
この「3.1%」は「市場予想の2.9%」をわずかに上回りましたが、
CPIの急速な上昇は
抑えたが・・・
まだまだ、CPIの上昇は
予想を上回っている・・・
という状況が、現実です。
この中、
インフレが、今後
持続的に鈍化するかどうか・・・
その方向性をハッキリ
確認後に、利下げする!
と方針を明確にしたことに対して、市場関係者は
CPIの方向性次第で、
金利が変わることが確実になった・・・
と受け止めることになり、「方針がより明確になった」ことになります。
一方で、まだまだ強い伸びを見せている米CPI。
インフレが持続的に鈍化して「2%上昇」になるには、最も良い方向で2024年末頃と思われます。
史上最高値の米国株と日本株:「預金から株へ」の異常な勢い
FRBによる急速な金利引き上げによって、2022年に大きく下落した米国株。
AIバブルの雰囲気もある中、2023年から急速に復活しました。
そして、2024年3月現在「史上最高値」を更新し続けている米国株。
米国株上昇に引っ張られる形に、米中対立による中国の低下などの要因が同時に起きた日本。
日本株は、2024年初頭から異常な勢いで上昇を続け、
これはいくらなんでも
上昇が急すぎる・・・
そろそろ調整が入って、
一時下落になるだろう・・・
多くの方が株高を喜ぶ中、慎重な姿勢を保ちました。
ところが、そうした「下落の懸念」を暴風の如く吹き飛ばして、急進を続けているのが日本株です。
・米中対立による「日本の存在」急浮上
・AIバブル
・新NISAによる「日本人の貯蓄から投資へ」の流れ
・「異常や円安」による外国勢の買い
バブル最盛期の1988年〜1989年を超える勢いで上昇を続けている日本株。
どう考えても、「そろそろ一時的に調整が入り、10%程度は下落する」はずです。
ところが、「大きく下落する気配」すら感じられない日本株。
この「大躍進する日本株」の背景には、異常な円安と日本企業の再評価もあります。
これらの要因も大きいですが、「新NISAの影響」が甚大と考えます。
2024年2月末現在で、東証の全ての株式の時価総額合計が940兆円ほどです。
対して、日本の個人金融資産は2100兆円を超えて、2023年は「55%程が銀行預金」でした。
つまり、2023年末時点で「国内の個人金融資産の1200兆円ほどが銀行預金」だった日本。
ここで、日本の金融資産がわずかに株に流れ込むだけで、株価は高騰するのが必然です。
この急速な「預金から株へ」の方向は、日本の国家の姿も変える影響があり、良い方向です。
一方で、「預金から株へ」の勢いが少し急すぎるのは大きな懸念です。
幕末に当時の大英帝国(英国)と戦争した、薩摩。
その後、一転して「大英帝国と同盟・協調体制」へ一気に転化させて、討幕に至りました。
第二次世界大戦後も「一気に変化・転化する」ことが得意な日本人。
一方で、この「一気に変化」は良い面とそうでない面があります。
この「預金から株へ」の異常な勢いが、2024年以降の日本にどのような影響を与えるか。
「変わらない日本」と言われる日本が「大きく変わりつつある」こと。
それは、とても好ましいことではあります。
「中国減速」から海外資本が大きく日本株に流れ込んでいる状況が、今後どう変わるかも大きな要素です。
いずれにしても、「良い要素」がありすぎる日本株。
円安とインフレもあり、多少の調整があるも、もう少し堅調が続きそうにも見受けられます。
一方で、中国の不動産などの大バブル崩壊は、深刻な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、ウクライナやガザでの大戦争が継続する中、不安材料は山のようにあります。
あまりに急ピッチで「上がり過ぎた」日本株は、
Japanに大量のMoneyが
流れている・・・
ここは、上手く
空売り仕掛けて、利益とってやろうか!
海外勢のある勢力の投機的思惑によって、一時的に大きな下落がある可能性が一定以上あると考えます。