カンニングをした高校生への異常過ぎる厳罰〜犯罪より遥かにマシなカンニング・前時代的な「ペーパー試験重視」の日本の受験と教育〜|日本の教育問題

前回は「受験や教育にかかるコストと少子化〜「Japanは、いずれ存在しなくなる」というイーロンマスクの真意・国力が急速に下落する日本・加熱化する中学受験〜」の話でした。

目次

犯罪より遥かにマシなカンニング

新地球紀行
大阪城(新地球紀行)

大阪府の私立S高校で、カンニングをした高校生が自殺した報道がありました。

高校二年生の生徒が倫理・政経の試験でカンニングをした結果、尋常ならざる厳罰を受けた結果でした。

カンニングをすることは「やってはいけないこと」ですが、犯罪よりは遥かにマシです。

犯罪は「他人に迷惑をかける」行為ですが、カンニングは「他人に迷惑をかけない」行為です。

カンニングによって、その方が「不当に点数を取る」ことで、本人にメリットがあることに基本的に限られます。

このように、「犯罪を犯すこと」よりも「全然問題ではない」カンニング行為。

「やってはいけないこと」ですが、この生徒は、魔がさしてしまったのかもしれません。

暗記が多い社会において、倫理・政経は「暗記の度合いが強い」科目と考えます。

筆者も高校二年生の時に倫理の試験を受ける際、

覚えることが多過ぎるし、
全然分からないな・・・

と、とても苦戦した記憶があります。

新地球紀行
日米の海軍首脳・ミッドウェー海戦:左上から時計回りに、山本五十六 連合艦隊司令長官、Chester Nimitz米太平洋艦隊司令長官、Raymond Spruance 第16任務部隊司令官、山口多聞 第二航空戦隊司令官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社、Wikipedia)

筆者は歴史は大好きなので、同様に「暗記科目」である日本史・世界史は得意でしたが、

なんか、倫理って
よく分からない・・・

倫理に登場する様々な人物も事柄も、「全然頭に入らない」ので大変苦労しました。

同級生に倫理がとても得意な友人がいて、

倫理は得意だから、
暗記しなくても出来るよ!

と、試験で大変良い成績を取った友人を羨ましく思いました。

数学や物理など「思考系」の学問は得意でしたが、高校生になると強い指向性が出ます。

おそらく、カンニングをした高校生も「頭に入らない」事に大変苦労したのでしょう。

倫理・政経の試験以外の成績は不明ですが、この生徒にも得意科目はあったのではないでしょうか。

他に何らかの得意な科目や技能があったかもしれない、自殺してしまった高校生。

詳細は不明ですが、倫理・政経が不得意で「どうしても試験が良くない」状況だったかもしれません。

「不得意科目がない」高校生は、ほとんど存在しないのが現実です。

倫理・政経で成績が多少、あるいはかなり悪くても、他で挽回すれば良かったのかもしれません。

いずれにしても「思い詰めて、やってしまった」のでしょう。

それよりも、大きな問題は学校・教員の姿勢でした。

カンニングをした高校生への異常過ぎる厳罰

新地球紀行
東京(新地球紀行)

この高校生が「カンニングをしてしまった」のを発見した教師は、

おいっ!
何やっている!

ちょっとこっちへ
来なさい!

生徒を別室によんで、「複数の教師」で叱責しました。

仮に「叱責する」としても、教師は一人で十分です。

なぜ、「複数の教師」で叱責する必要があったのかが、全く分かりません。

挙げ句の果てに、

お前は
卑怯者だ!

と男子生徒を罵倒した教師。

物心ついて、誇りを持っている男子に対して「卑怯者」という言葉は禁句です。

まして、教育者である教師が生徒に対しては「絶対に言ってはならない言葉」でしょう。

この「複数の教師で叱責」と「卑怯者の言葉」だけで、この「複数の教師」は教員失格です。

さらに酷いことに、

全科目
0点だ!

自宅謹慎
8日間!

写経
80枚!

を、この高校生に課しました。

このうち、まだ理解できるのは「写経80枚」で、こういう経験も悪くないでしょう。

ところが、「自宅謹慎8日間」は「見せしめ」としても酷すぎます。

封建社会の「閉門蟄居」でもあるまいし、何を考えて「自宅謹慎」なのか意味不明です。

極め付けは「全科目0点」であり、これは論外であり「絶対にやってはいけないこと」でしょう。

試験の点数や成績を良くするために、一生懸命勉強するのが高校生たちです。

この「倫理・政経でカンニングをした」のであれば、「倫理・政経で大幅原点」が妥当なところです。

他の科目でも
カンニングしたかもしれない!

と考えたかもしれませんが、「他の科目は他の科目」です。

例えば、数学などではカンニングをしたとしても、大して意味がありません。

暗記が多い「倫理・政経」でカンニングしたとしても、他の科目への波及は「してはならない」ことです。

「全科目0点」は、一生懸命勉強している高校生にとっては「地獄の底に落とされた」気持ちでしょう。

挙げ句の果てに、

お前は
卑怯者だ!

と言われて、この高校生は、

このまま周りから、ひきょう者と
思われながら生きていく方が怖くなってきました・・・

と遺書を残して自殺してしまいました。

前時代的な「ペーパー試験重視」の日本の受験と教育

新地球紀行
京都(新地球紀行)

この「異常な教師」が一人であれば、必ずしも学校側の責任ではないかもしれません。

ところが、この高校生を「複数の教師で叱責」している時点で、「学校・組織ぐるみの犯罪」です。

本来であれば、

お前は
卑怯者だ!

と、高校生を叱責していたら、他の教師が、

おいっ!
それは「言い過ぎ」だろう!

と当該教師を「たしなめる」のが「普通である」と考えます。

それを「別室で複数の教員で叱責」というのは、「大の大人が高校生を集団リンチ」と同じです。

そもそも、高校生にとって「先生・教師」は非常に強い存在です。

自分に「成績」という点数をつける「絶対的存在」である教師が、複数で集団リンチする異常な神経。

この学校では、日頃から副校長が朝礼で、

カンニングは、
ひきょう者がすることだ!

と訓話をしていたようで、学校・教師全体が「カンニングは悪」であると考えていたのが実態です。

この「カンニングは悪であり卑怯者」という「絶対的な価値観」に支配された不気味すぎる学校。

こんな学校が、存在すること自体が異常なことです。

こういう自体が起こることも、日本の受験・教育界が「ペーパー試験重視」過ぎるからでしょう。

この高校は大阪にありますが、「大いなる歴史」を持つ大阪の地には、歴史的建造物や現代建築も数多くあります。

外部サイト「新建築紀行」で、筆者が中学三年生の時に大阪城に初めて行った時の話をご紹介しています。

大阪周辺の中高生には、「勉強、勉強」ばかりでなく、たまには「近くの様々な建物・建築を見学」も良いでしょう。

ペーパー試験の成績を上げるために、

よしっ!
もっと数学頑張ろう!

もう少し
英語の長文を勉強しよう!

と中学生・高校生の青少年・少女たちが「懸命に切磋琢磨する」姿勢は良いことです。

「試験で良い成績を取る」ことをプロセスとして、勉強をして学びを深めてゆくのが大事です。

試験は誰でも「避けたいこと」ですが、試験がないと、なかなか学びは捗らない面があります。

ところが、日本では「学びのプロセス」であるはずの「ペーパーテストの点数」が「目的」となっています。

そして、「ペーパーテスト絶対主義」で中学受験〜大学受験が決まり、子ども達の運命が決まります。

大学受験では、ペーパーテストではない特殊入試・AO入試が多くなっています。

それでも、国立大学出願では特殊入試でも大学共通試験というマーク試験の優劣が影響します。

ペーパーテストの成績に加え、偏差値という点まで登場して、ランキング・序列化が浸透している日本。

今回、このS高校の事態は異常なことであり、文科省は然るべき処置をすべきでしょう。

このような「悪質な教育」が行われ、自殺者まで出す中、この学校で学ぶことは害になります。

「一人の高校生」を「集団で叱責」する「卑怯者の集団」が教員である、このS高校。

S高校のような、「異常な学校」が他にないことを願いたいと思います。

そして、絶大な弊害がある日本の「ペーパーテスト絶対主義」は、もうやめるべきでしょう。

新地球紀行

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