前回は「カンニングをした高校生への異常過ぎる厳罰〜犯罪より遥かにマシなカンニング・前時代的な「ペーパー試験重視」の日本の受験と教育〜」の話でした。
科学技術・イノベーションの地位が凋落続ける日本
かつては、「日本のお家芸」でもあった科学技術力が著しく低下しています。
世界各国の科学技術・イノベーションのレベルの指標の一つに「論文数」があります。
この科学技術に関する論文数において、世界各国が著しく増加しているのに、日本は横ばいです。
そして、相対的に日本の科学技術における論文数は低下を続けています。
2000年頃までは、「世界で二位」だった論文数のランクは現在は五位まで下がりました。
順位 | 国名 | シェア |
1 | 中国 | 23.4 |
2 | 米国 | 16.8 |
3 | ドイツ | 4.0 |
4 | インド | 4.0 |
5 | 日本 | 3.9 |
2000年頃までは、日本のシェアが8.9%程度あったのが現在では半分以下の3.9%程度となりました。
つまり、科学技術・イノベーションの論文の世界において、日本の地位は「半分以下」となりました。
この最も大きな原因は、急速に成長した「中国の論文数」です。
2000年頃に3.1%程度だった中国は、「急速」と言い寄り「爆速」に論文数を増加させました。
その結果、20年間で3.1%から23.4%へと、約8倍へと増加させています。
「論文の数」よりも「論文の質」が大事かもしれません。
それでも、「数が質に転化する」こともあるので、やはり数も大事です。
イノベーションへ後押しする中国政府とインド政府
欧州では常にドイツがトップを占めてきた科学技術・イノベーションの論文数。
20世紀に入る頃から、ドイツはこの分野では欧州トップの地位は揺らぎません。
対照的なのが、この分野の「アジアの台頭」です。
科学技術の分野で
我がChinaga派遣を握る!
そして、この「アジアの台頭」を最も顕著に示すのが中国の勢いです。
科学技術・イノベーションの論文数のような「頭脳系」は、
科学技術は圧倒的に
我がUnited Statesが強いのだ!
米国と欧州が「覇権を握ってきた」歴史があります。
我がGermanyは、
科学技術には自信がある!
成長著しいのは、中国と同様にインドもです。
2000年頃までは、科学技術・イノベーションの論文数において「トップ10圏外」だったインド。
それが、現在では日本を抜き去って4位に躍り出ました。
我がIndiaも、
科学技術を推進するのだ!
我がJapanも科学技術は
推進していますが・・・
インドは日本ともある程度近い距離を保っていおり、日本にとっても非常に大事な国家です。
米国とドイツは「相変わらず」の中、中国とインドがイノベーションの分野で一気に成長しました。
これは、中国とインドの「国家としての活気」の強さが最も大きな理由でしょう。
さらに、政府が最もイノベーションを強く推進している影響が重要です。
科学者と技術者を「軽視し続けたきた」日本:理系軽視の政治と大学
元は「大英帝国の植民地」であるインドの立ち位置は、欧州とも距離を近くしています。
対して、ロシア・中国と共にSCO・上海協力機構の一員であるインド。
インドの立ち位置は、基本的には「アジア中央アジアの一員」です。
Chinaは隣国であり、
仲良くしなければな・・・
東洋のメッカともいうべきインドは、「西洋的価値観」とは一線を隠す姿勢が明確です。
1990年代のバブル崩壊以降「失われた30年」と言われてきた日本。
日本においては、
我がJapanも科学技術は
超重要です!
科学技術は「軽視されている」訳ではありません。
ところが、科学者や技術者は明確に「軽視され続けたきた」のが事実です。
最近、AIが活発になり、「AIがイノベーションを引き起こす」可能性すらあるかもしれません。
この「AIの推進」においても、日本の存在感は薄いのが実情です。
AIも勿論大事ですが、なんといっても中心となるのは人間であり、それぞれの分野の方々です。
それにも関わらず、教育において「理系を重視する姿勢」が非常に薄かったのが日本です。
政治家は法学部卒業ばかりで、理系卒の政治家が極めて少ない日本。
まるで、
理系の奴が政治家に
なれるはずがないだろう!
理系の連中は
法律が全然分からないからな!
とでも言いたそうなほど、全く「理系の存在感」がない日本の政界。
そして、「ポスドクの扱い」などで著しく条件が悪い日本の大学における理系研究者の立場。
まさに科学技術・イノベーションの論文数を「下げる政策」を続けてきた日本。
最近、「ポスドクの待遇改善」というニュースもありますが、全然足りません。
日本再帰には、まず科学技術・イノベーションへの政府の後押しが最重要です。
これをしない限り、科学技術・イノベーションの自然科学系論文数は「低下の一方」となるでしょう。
そして、この傾向が続くとき、資源なき日本はまさに二流国へ向かってゆきます。