耐震性能と技術革新〜トルコシリア地震・ガズィアンテプ地震の衝撃地震の本質・オスマン帝国・米英独の戦車〜|科学技術

前回は「自動運転の未来と世界|科学技術」の話でした。

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トルコ・シリア地震:ガズィアンテプ地震の衝撃

新地球紀行
2023年ガズィアンテプ地震(トルコ・シリア地震, Wikipedia)

トルコ・シリアで発生した大地震の被害が深刻化しています。

現時点で死者が2万人を超えており、これから死者などの被害は増加する見込みです。

大惨事となってしまったトルコ・シリアの大地震。

トルコ・シリアなどの国民の方々や被災された方々・関係者の方々には、お見舞いを申し上げます。

地震とは密接な関係がある我が国・日本。

大きな地震だけでも1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災などがあります。

今回のトルコ・シリアの大地震で被害が広がった一つの要因に、「比較的新しい建物の倒壊」があります。

2018年に建築基準が大きく刷新されたトルコ。

ところが、それ以後に建築された最新の集合住宅が、完全に倒壊しています。

例えば、上記の最新の集合住宅の建物が真っ二つに割れているのが気になります。

この理由は、今後専門家の分析が必要になると考えますが、建築設計者として考えてみたいと思います。

地震とは何か?

地震のメカニズム(新地球紀行)

地震が発生すると、建物が揺れて建物に力がかかります。

地震のメカニズム(新地球紀行)

この時、建物にかかる力は地震動の挙動によりので非常に複雑ですが、単純なモデルで考えてみます。

建物に対して、地震の揺れによって「建物を倒そうとする力」がかかります。

地震のメカニズム(新地球紀行)

この力Fは運動方程式によって、F=ma(mは建物の質量・重量、aは地震動の加速度)となります。

地震のメカニズム(新地球紀行)

そのため、建物の重量mが大きいと、「同じ地震動に対して、地震力Fが大きくなる」傾向があります。

これは単純化したモデルであり、現実の地震動は複雑な波動で、建物の応答・挙動も複雑です。

この物理的発想からは、下記のことがわかります。

耐震性を高めるポイント

1.柱・梁・基礎などの主要構造物が頑強であること。

2.主要構造物の重量が大きくならずに、適度な重量で必要な耐震性を持つこと。

3.耐震性の高い要素:柱・梁をバランス良く、合理的に配置すること。

今回のトルコ地震の地震動の解析が進まなければ分かりませんが、余程特殊な地震動でないと仮定します。

その場合、建物が「真っ二つに割れる」という状況は、下記の二つの理由が大きいと思います。

建物が「真っ二つに割れる」理由

A.柱・梁などの耐震要素のバランスが悪かった

B.建物の重量のバランスが悪かった

いずれにしても、建物のバランス・合理性は耐震性能上非常に重要です。

その観点が、トルコにおける比較的新しい建物には欠けていたように感じます。

いずれにしても、甚大な被害は非常に残念な事であり、ウクライナ戦争にも悪影響があるでしょう。

トルコとオスマン帝国

昨年から、ロシアとウクライナの間に入って交渉を続けてきたトルコ。

両国の隣に位置し、地政学的にも非常に重要なトルコの政治力は大きいです。

オスマン帝国の領土:17世紀(Wikipedia)

17世紀にはオスマン帝国として広大な領土と絶大な影響力を誇ったトルコ。

一時期は地中海を支配していた国であったのです。

米英独の戦車

米英独などが戦車をウクライナへ提供する方針を固めましたが、実際に戦車が現地に行くのは時間がかかります。

しかも、欧州に2000台以上あるレオポルド2。

ところが、欧州各国も様々な思惑があり、ウクライナに多くの戦車がすぐに到着する見込みは立ちません。

この中、トルコが大震災によって大変な損害を受け、トルコは国内のことが最優先となります。

プーチン大統領とも話しやすいエルドアン大統領によるロシア・ウクライナの交渉が進まないことになります。

左上から時計回りにZelenskyウクライナ大統領、Biden米大統領、Erdoğanトルコ大統領、Putin露大統領(Wikipedia)

世界情勢の雲行きが良くない方向の中、米国と中国が空の戦いを始めました。

世界の混乱が大きくなり、インフレが鈍化してきた世界経済にも悪影響を与えそうです。

各国経済も悪化する傾向になり、株価も急落などの混乱が起こる可能性が高まっていると考えます。

新地球紀行

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