前回は「レイオフの嵐と世界経済」の話でした。
欧州:ロシアのLNGパイプライン停止への対応

ロシアからのLNGパイプラインが停止し、エネルギー供給に大きな危機が訪れている欧州。
最も影響を受けるドイツは、今年3月にLNGタンカーの受け入れ基地・ターミナルを急造しています。

「通常5年ほどかかる工事を1年弱で」との要望を受けた土木会社。
これは、「急ピッチ」というレベルを超えた「無理難題」です。
無理難題であろうと、
なかろうと・・・
我々は
成し遂げるのだ!
逆転の発想
なんとかやり遂げようと、担当した会社は欧州各国の建材サプライヤーを当たりました。
そして、通常は「設計に合わせた建材」を使用するのに対し「建材に合わせた設計」をして、工事を進めました。
この発想は、「言われてみれば当然」ですが、設計・工事の現場にいる人間からすると「発想の大転換」です。

第二次世界大戦時には、最新鋭の戦闘機メッサーシュミットを生み出して、連合軍を翻弄したドイツ。
これほどの「発想の大転換」を易々と成し遂げ、この工場建設に合わせて法律まで作ったドイツ。
その「本気度」と「欧州で最も科学技術が進んだ国家」というプライドが垣間見えます。
米国の半導体規制

中国に対して、「最先端技術の保護」の元に半導体規制を進めてきた米国。
さらに中国の半導体メーカー21社を事実上禁輸リストに加えて、「中国排除」の姿勢を強めています。
米中の対立は必然的とはいえ、この世界中が混乱している中、世界政治・経済に大きな悪影響を与え続けています。
この中、FRBは12月の利上げを市場の予想通り50bpに抑えたものの、「来年も追加利上げ」を示唆しました。
「追加利上げ」と「米中対立の混乱」などの要因が重なり、米国・欧州市場は大きく下落しました。
Dow2.5%程度下落、Nasdaqは3%を超える大きな下落となりました。
少し復調傾向にあった市場ですが、過敏になっている中、悪条件が重なり大きな下げとなりました。
年末年始に向けて、混乱が続く見込みで、しばらく市場は軟調になりそうです。
次回は上記リンクです。