レイオフの嵐と世界経済〜ゼロコロナ政策・英国の中国への姿勢・米ハイテク企業の行方〜|世界経済

前回は「インフレとエネルギー」の話でした。

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中国のゼロコロナ政策

Xi Jinping(習近平)国家主席(Wikipedia)

中国で深刻化している大規模な抗議デモ。

中国政府の強烈な「ゼロコロナ政策」に対する中国市民の怒りが爆発した形です。

民衆からのデモ・暴動から政変が、非常の大きな政変のきっかけとなることが多かった中国の歴史。

3期目に入ったばかりのXi Jinping(習近平)国家主席としては、予想外の展開となっています。

国際社会に対する手前、デモを弾圧するわけにも行きません。

そして、「ゼロコロナ政策」を撤廃することは、中央政府の権威失墜に繋がるかもしれません。

中国での極めて大きな情勢の不安定化は、中国にある外国企業にとっても非常に重大な状況です。

「世界の精密機器の工場」の地位を獲得し、発展を続けようとする台湾。

台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国工場では、大規模な労働争議が発生しました。

このため、iphoneの出荷台数が大きく減少する見込みです。

英国の中国への姿勢

Rishi Sunak英首相

約一月前の10月25日に英首相に就任したばかりの、スナーク首相。

外交方針演説において、英中関係に大きく言及し、中国への対応を強める姿勢を明確にしました。

中国政府指導部は、内部からと外部からの強い圧力に対する必要があります。

米ハイテク企業:レイオフの嵐

米最先端企業の創業者たち:左上から時計回りに、Mark Zuckerberg、Larry Page、Jeff Bezos、Elon Musk(Wikipedia)

米国のハイテク企業を中心とする、レイオフの嵐が続いています。

大手企業で10%程度のレイオフが続き、非常に深刻な状況とも考えられます。

一方で、新型コロナのこともあり、アマゾン、メタなどでは非常に大規模に人員を増加した経緯があります。

THE WALL STREET JOURNAL

上のグラフは、メタの従業員数の推移です。

2013年から急速な伸びを見せていますが、特にコロナの2020年頃から社員増加の傾向が強まっています。

この伸びが続くことは、余程特殊な条件がない限り非常に困難で、事実上不可能でしょう。

最近の、アマゾン、メタ等のハイテク企業のレイオフ。

それは「増やしすぎた人員の整理」であり、一時的な調整期間は「必要なこと」だったのでしょう。

これら、ハイテク大企業のレイオフの中、教育・医療分野の求人率が急速に伸びています。

THE WALL STREET JOURNAL

これは、多くはコロナ対策の医療機関等と考えられますが、需要が減る分野があれば、増える分野もあります。

教育に関しては、最近米国のアイビーリーグなどの有名な大学で大きな改革がありました。

門戸を解放し、ペーパーテストの成績の比重を小さくしました。

これは、個人の個性を伸ばし、イノベーションを起こしてゆく米国の基本姿勢でしょう。

このように、教育でも大きな革新が起きている米国。

最近は、米株は不調ですが、ウクライナ戦争に加え、コロナの増加、中国の不安定化が大きな要素と考えます。

世界中が大混乱にある中、一定の調整期間を設けて、次の時代に向けて準備する米国。

2023年半ば頃のリセッションの観測が強くなりましたが、米国株は復調基調になると考えます。

新地球紀行

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