前回は「インフレとエネルギー」の話でした。
中国のゼロコロナ政策

中国で深刻化している大規模な抗議デモ。
中国政府の強烈な「ゼロコロナ政策」に対する中国市民の怒りが爆発した形です。
民衆からのデモ・暴動から政変が、非常の大きな政変のきっかけとなることが多かった中国の歴史。
3期目に入ったばかりのXi Jinping(習近平)国家主席としては、予想外の展開となっています。
国際社会に対する手前、デモを弾圧するわけにも行きません。
そして、「ゼロコロナ政策」を撤廃することは、中央政府の権威失墜に繋がるかもしれません。
中国での極めて大きな情勢の不安定化は、中国にある外国企業にとっても非常に重大な状況です。
「世界の精密機器の工場」の地位を獲得し、発展を続けようとする台湾。
台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国工場では、大規模な労働争議が発生しました。
このため、iphoneの出荷台数が大きく減少する見込みです。
英国の中国への姿勢

約一月前の10月25日に英首相に就任したばかりの、スナーク首相。

外交方針演説において、英中関係に大きく言及し、中国への対応を強める姿勢を明確にしました。
中国政府指導部は、内部からと外部からの強い圧力に対する必要があります。
米ハイテク企業:レイオフの嵐

米国のハイテク企業を中心とする、レイオフの嵐が続いています。
大手企業で10%程度のレイオフが続き、非常に深刻な状況とも考えられます。
一方で、新型コロナのこともあり、アマゾン、メタなどでは非常に大規模に人員を増加した経緯があります。

上のグラフは、メタの従業員数の推移です。
2013年から急速な伸びを見せていますが、特にコロナの2020年頃から社員増加の傾向が強まっています。
この伸びが続くことは、余程特殊な条件がない限り非常に困難で、事実上不可能でしょう。
最近の、アマゾン、メタ等のハイテク企業のレイオフ。
それは「増やしすぎた人員の整理」であり、一時的な調整期間は「必要なこと」だったのでしょう。
これら、ハイテク大企業のレイオフの中、教育・医療分野の求人率が急速に伸びています。

これは、多くはコロナ対策の医療機関等と考えられますが、需要が減る分野があれば、増える分野もあります。
教育に関しては、最近米国のアイビーリーグなどの有名な大学で大きな改革がありました。
門戸を解放し、ペーパーテストの成績の比重を小さくしました。
これは、個人の個性を伸ばし、イノベーションを起こしてゆく米国の基本姿勢でしょう。
このように、教育でも大きな革新が起きている米国。
最近は、米株は不調ですが、ウクライナ戦争に加え、コロナの増加、中国の不安定化が大きな要素と考えます。
世界中が大混乱にある中、一定の調整期間を設けて、次の時代に向けて準備する米国。
2023年半ば頃のリセッションの観測が強くなりましたが、米国株は復調基調になると考えます。