前回は「「謝れば犯罪も許される」極めて妙な国会議員の発想〜自民党裏金問題と派閥解消・稚拙極まりない「論点すり替え」・不思議な東京地検特捜部の発想〜」の話でした。
前代未聞の大乱立の自民党総裁選:異様に多い次期総理大臣立候補者

過去最多の9名が立候補した次期総裁=次期首相を決定する自民党総裁選。

自民党総裁選に
出馬します!



自民党総裁選に
出馬します!


次期総裁選に出馬しないことを表明した岸田総理。



在任日数1,000日を
優に超えたし、十分だ!
岸田総理の政治面の功績には様々な議論がありますが、安倍総理に続いて長期政権となりました。
3年には届かないにしても、「平均2年以下」と言われる日本の総理在職日数としては多いです。
真面目な岸田総理には個人的には当初期待していた面があり、「相応の実績を上げた」と評価できます。
ただ、混乱の時期に、なんの実績もない長男を首相補佐官にした事実は極めて大きなマイナスです。
さらに不祥事を起こして、早々に消えた「岸田総理の長男」。
あれさえなければ、岸田総理は「まあまあ良い」総理でした。
ウクライナ戦争が勃発し、舵取りが難しいこの時期に、大人しめながら日本を率いた岸田総理。
故郷・選挙区である広島で開催したG7では、平和記念公園をうまく活用してアピールしました。
「パッとしない」かもしれませんが、日本の総理として「それなりに」しっかり職務を果たしたでしょう。



岸田総理の次は
私だ!



いえいえ!
私です!
このなんとも言えない岸田総理の後を継ぐ次期自民党総裁は、自動的に日本の次の総理大臣となります。
これまでは、おおむね4名程度の戦いであった自民党総裁選は、一気に倍以上の9名が立候補。



私が総理になったら
こういう政策を実行します!



この政策こそが
我が内閣の根幹です!
それぞれの候補者が「自分が総理なら実施する政策」を掲げて、懸命にアピールしています。
政治家である以上、「政策が大事」であることは当然です。
ところが、総理決定の総裁選・代表戦の場合は、総理が決定すると「なんとなく有耶無耶」になります。
総理決定後は、人事の話ばかりになり、



外務大臣は
誰になるんだ?



サプライズ人事は
誰?
「主張していた政策」に関する話は、ほとんど登場せず、人事一色になります。
いずれにしても、「次期総理の政策を比較」するならば、せいぜい4つくらいです。
「9つ比較」することは、誰にとっても結構大変なことで、苦痛を伴います。
この「大乱立の9人の次期総理候補者」が登場した時点で、次期総理への期待感が薄くなってしまいます。
謎の総裁選候補者の肩書き:「日本政府のボス」か「自民党のボス」か


日本国という国家を率いる内閣総理大臣。
天皇制がある日本では、国家元首が天皇なのか総理なのかが曖昧です。
憲法にも「国家元首」が定められておらず、天皇は「象徴(Symbol)」と定められています。
「国家元首」は国の代表者であり、多くの日本国民としての正直な感情では「天皇」であるべきです。
ところが、憲法上、政治権力を一切有しない天皇が「国家元首」なのかどうか、は難しい面があります。
そのため、政治上は「内閣総理大臣が国家元首」となり、「日本の代表」となります。



私は現職の〜大臣で、
元大臣です。



私は現職の外務大臣で
海外にも顔が売れています。
このように「現職」「過去」いずれにしても、「何大臣を経験したか」は一つの指標になり得ます。
一方で、中には自民党幹事長経験者もおり、



〜氏は元自民党幹事長、
元〜大臣です。
多くの場合、このように「大臣より自民党幹事長が先」に紹介されることがほとんどです。
これは、



自民党幹事長は
超権限があり、大臣格・・・



考えようによっては、
大臣よりも幹事長の方が権限を持つ・・・



自民党総裁を決定するから、
No.2である幹事長経験の有無は大きい・・・
このように「自民党総裁を決定する」視点から考えれば、「幹事長が先」が分かります。
一方で、国民にとっては、



次期総理は
誰になるのだ?
「次期自民党総裁決定」ではなく「次期総理決定」を決定するのが、この選挙の意味です。
この意味において、やはりどう考えても、候補者の経験した職務は「大臣が先」であるべきです。
「幹事長経験の有無」は、自民党という党の論理に過ぎません。
自民党員など「自民党と深く関わる」方にとっては、大事かもしれません。
ところが、大多数の国民にとっては、「政府のトップ=総理大臣、政府の顔=大臣」が大事です。
「幹事長は誰か?」は自民党の「内向きの論理・発想」であり、どうでも良いことです。
大乱立して、後で有耶無耶になりがちな政策論争もまた大乱立となった総裁選。
せめて、候補者達の「過去の職歴」は「大臣中心」にして「日本政府における役割」を優先して欲しい。
自民党内の幹事長・政調会長・総務会長等の職務は、記載する必要がないと考えます。
それには、「自民党のボス」ではなく「日本政府のボス」という考え方を重視すべきです。
各候補者は、総裁より「総理」として「どのように国家を率いるか」を、ハッキリして欲しい。
次回は上記リンクです。