「謝れば犯罪も許される」極めて妙な国会議員の発想〜自民党裏金問題と派閥解消・稚拙極まりない「論点すり替え」・不思議な東京地検特捜部の発想〜|日本の政治と政治家

前回は「「エッフェル塔の写真」と政治家のフランス研修〜日本の政治家の「エッフェル塔の写真」と更迭・政治家の意識のレベル・小学生・中学生レベルの発想・国会議員に求められる「大人らしい」思考力・独自性なき発想〜」の話でした。

目次

自民党裏金問題と派閥解消:稚拙極まりない「論点すり替え」

新地球紀行
清和会の衆議院議員幹部:左上から西村康稔氏、萩生田光一氏、松野博一氏、世耕弘成氏(Wikipedia)

最近、日本の政界を騒がせている裏金問題。

「パーティー収入不記載事件」と言われていますが、単なる「裏金づくり事件」です。

パーティー券のノルマ超過分を所属議員に還流させておきながら、

これは別に
記載しなくて良い!

派閥・議員側双方の政治資金収支報告書に、全く記載しなかったのでした。

「不記載」は長年の
慣行で、知りませんでした・・・

政治資金の管理は秘書に
任せきりで、知りませんでした・・・

資金は適切に処理されていると
認識していた・・・

その内に
説明します・・・

「知らない・・・」「秘書が・・・」のオンパレードで、

よっしゃ!
万全の説明だな・・・

ふふふ・・・
完璧な「先送り」戦術だ・・・

「説明を完了したつもり」になっている議員たち。

安倍派幹部を
辞任します・・・

安倍派幹部を
辞任します・・・

安倍派幹部を
辞任します・・・

安倍派幹部を
辞任します・・・

仲良し小学生の如く、

みんなで仲良く
安倍派幹部辞任!

で「幕引き」を図っていた安倍派幹部達。

新地球紀行
岸田文雄 総理大臣(Wikipedia)

この状況において、

ここで何もしなければ、
自民党は終わる・・・

と考えた岸田総理大臣。

ただでさえ、支持率が危険水域の岸田内閣において、今回の疑惑は致命傷では留まらないでしょう。

岸田派・宏池会は
解散します!

岸田総理大臣は、「岸田派・宏池会の解散」をブチ上げました。

これに呼応したかのように、

清和会・安倍派も
解散します・・・

清和会・安倍派も解散する方針を決定しました。

まるで、

キックバック、裏金づくりの
組織を解体すれば、問題解決でしょう!

と主張したいようですが、稚拙極まりない「論点のすり替え」です。

「派閥」は「キックバック、裏金づくり」の単なる「プロセスの一つ」でしかありません。

「キックバック、裏金づくり」という行為自体が大問題であり、「派閥解消」はどうでも良いのです。

「謝れば犯罪も許される」極めて妙な国会議員の発想

新地球紀行
能登地震(Wikipedia)

昨年末から大問題となっていた、この「裏金づくり事件」という大犯罪。

元旦には能登で大地震が発生し、200名を超える方が亡くなりました。

都市・街が壊滅的な打撃を受け、大勢の家族の方が亡くなってしまった方もいらっしゃいます。

亡くなった皆様及びご親族の方々には、謹んでご冥福をお祈りいたします。

こうした状況においても、

「不記載」は長年の
慣行で、知りませんでした・・・

政治資金の管理は秘書に
任せきりで、知りませんでした・・・

資金は適切に処理されていると
認識していた・・・

そのうちに
説明します・・・

と主張し、つまりは、

私は
悪くないんですよ・・・

秘書が勝手にやったことだから、
知らないし・・・

悪いとすれば、
それは秘書でしょ・・・

いつなったら、
ほとぼりが冷めるのかな・・・

ということを平然と主張する国会議員たち。

申し訳
御座いませんでした・・・

と「謝れば済む」と考えているとしか思えないメンタリティです。

この「謝れば済む」という発想は、「あるレベルまでに限定されるべき」です。

犯罪を犯しておきながら、「謝れば済む」や

知らなかったで
済ませよう・・・

という発想は完全に常軌を逸しているでしょう。

ところが、国会議員の方々の論理や発想では、これでOKのようです。

能登地震で被災、あるいは亡くなった大勢の方々がいらっしゃる中、

私は
悪くないんですよ・・・

に終始する国会議員たち。

まるで、怒られた小学生が、

だって、
僕、悪くないんだもん!

と言っているのと同レベルではないでしょうか。

不思議な東京地検特捜部の発想

新地球紀行
東京地方検察庁九段庁舎(Wikipedia)

泣く子も黙るほどの強力な権限を有する「特捜部」。

特捜部は、日本の検察庁の一部門であり、東京・大阪・名古屋の地方検察庁に設置されています。

おいっ!
特捜部だ!

過去の様々な政治家たちを逮捕・立件してきた特捜部。

今回の「裏金疑惑」で特捜部が認定した裏金は総額10億円程度です。

派閥裏金金額
安倍派(清和会)約6億7500万円(2022年までの5年間)
二階派約2億6400万円(2022年までの5年間)
岸田派約3000万円(2020年までの3年間)
三派閥合計約9億7000万円
自民党三派閥の特捜部認定の裏金金額

各派閥の会計責任者・元会計責任者を、政治資金規正法違反で在宅起訴・略式起訴しました。

そして、計8人を立件しました。

そもそも、上の「特捜部が認定した」のは、安倍派(清和会)で2018年〜2022年です。

すると、普通の神経ならば「それ以前はなかったのか」と気になります。

また、「どこまで認定できているのか」ということも非常に気にならざるを得ません。

そもそも「大部分を現金でやり取りしている」と思われる裏金づくり。

銀行振込など「足が付く」ようなことは、

バレるとまずいから、
出来るだけキャッシュにしておこう!

「裏金づくり」では「証拠が残るのを避ける」のが、当事者たちの「持つであろう心理」です。

すると、

裏金は
ここからここまでだ!

と「特捜部が認定」したのは、「裏金という大きな氷山の一角」と考えるのが妥当です。

最終的に、

会計責任者たちは
法律違反だ!

だが、派閥幹部たちと
会計責任者たちの共謀はなかった・・・

と特捜部の方達は考えています。

これは「どう考えてもおかしい」論理です。

確かに、政治家たちの職務は「信念に基づいて良い政治を行う」ことです。

そのため、「自身の政治資金管理は秘書や会計責任者任せ」であるかもしれません。

ところが、政治活動するプロセスにおいて、様々お金がかかることが発生します。

そのプロセスにおいて、

これはどの程度の
お金がかかっているのだろうか・・・

我が政治活動を支える事務所資金は
保つのであろうか・・・

自身の活動の拠点における「経営状況」が「気にならない」はずはないのです。

政治家が「1円単位で自身の政治資金管理」していることはなくても、「大雑把に」は把握しているでしょう。

むしろ「大雑把に資金を管理していない」ならば、「間抜け」以外の何者でもないでしょう。

この「大雑把な把握」のプロセスにおいては、「どこからどの程度収入がある」ことも含みます。

派閥幹部たちと
会計責任者たちの共謀は実証できない・・・

「書類など形に残る」形式では「共謀を実証」は難しいでしょう。

ところが、大人であれば、どう考えても「何も知らなかった」はずはないと考えるのが自然です。

実証できないから、
立件できません・・・

と考える不思議な発想の東京地検特捜部の方たち。

法律の不備もあるでしょうが、「どう考えても奇妙キテレツでしかない」論理です。

東京地検特捜部の捜査担当の方の中には、

これは、
絶対に〜は黒だ!

と思っている方もいるでしょう。

いずれにしても「裏金づくり」という犯罪が「派閥解消」にすり替わっている日本の政治状況。

ここは、どこかで変わらなければならないですが、まるで特捜部が、

これは
問題なしでOK!

とでも言っている状況では、なんとも難しい状況です。

まるで、国会議員を「守る」ことが職務・仕事であるかの特捜部の動き。

特捜部の発想には、違和感しか感じようがありません。

新地球紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次