能登半島大地震の衝撃〜高まる大地震の頻度・多数の「新耐震基準」の木造建築の倒壊・頑丈な木造建築の実態・申請に構造図不要の木造二階建建築・望まれる早急な法改正〜|自然災害・国家戦略

前回は「能登半島大地震の衝撃〜甚大な津波の被害・日本の課題・震災の指揮官と日本航空飛行機事故・「竹島へ津波警報発令」にクレームをつけた韓国・支援が際立って早い台湾〜」の話でした。

目次

能登半島地震の衝撃:高まる大地震の頻度

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左上から時計回りに、能登半島地震、熊本地震、東日本大震災、阪神淡路大震災(Wikipedia)

2024年元旦に発生した能登半島地震。

この記事を執筆している24年1月8日時点で、石川県で死者128人、行方不明者195人に達しています。

亡くなった皆様及びご親族の方々には、謹んでご冥福をお祈りいたします。

極めて甚大な被害が発生したこの地震は、2016年の熊本地震を大きく超える被害が出ました。

地震名・発生場所
1995阪神淡路大震災
2011東日本大震災
2016熊本地震
2024能登半島地震
近年の日本での大地震・震災

1995年に発生した阪神淡路大震災以降、4件目となった大地震・大震災。

昨年以来、地震が多発していた能登半島。

ここまで巨大な地震が起こることは、多くの方が「想定していなかった」でしょう。

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世界のプレート(Wikipedia)

「プレートの境界で地震が発生する可能性が高い」ことは、以前から知られた事実です。

そして、いくつかのプレートの境界に位置する日本では昔から地震が多発してきました。

今回の能登半島は、「ユーラシアプレートと北アメリカプレートの境界」に近いです。

過去は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界である東海地方で地震が多いです。

関東地方や東海地方と比較すると「地震が比較的少ない」地域だった北陸地方の大地震。

さらに、東日本大震災以降、大地震・大震災の頻度が高まっていることが非常に気になります。

2011年の5年後に九州・熊本で、その8年後に北陸・能登半島で大地震が発生してしまいました。

10年以内毎に大規模な大地震が発生していることは、極めて憂慮すべき事態と考えます。

多数の「新耐震基準」の木造建築の倒壊:頑丈な木造建築の実態

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能登半島地震(Wikipedia)

甚大な被害が発生している能登半島地震では、数多くの建物が倒壊しました。

中には、6階建てほどの中層の鉄筋コンクリートの建物が基礎から横倒しになって例もあります。

これらの「建物の耐震性」に関しては、今後詳細な調査が望まれます。

数多くの民家が倒壊して、数多くの方が圧死してしまい、大変な事態となっております。

中でも、「新耐震基準」の数多くの木造建築が倒壊した報告が出ています。

新耐震基準の建物

・1981年に大きな建築基準法改正後に設計・建築された建物

・耐震基準は1981年以降も頻繁に改正されている

この「新耐震基準」とは1981年の「建築基準法の大改正」以降に設計・建築された建物です。

この「建築基準法の大改正後」に建築確認申請の構造設計の審査が通過した建築が「新耐震基準」です。

すでに40年以上経過していますが、この「新耐震基準」は大震災・大地震が起こるたびに法改正されています。

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2016年熊本地震(Wikipedia)

木造建築って、
地震に弱そう・・・

と木造建築は「地震に弱い」印象を持っている方が、多いかもしれません。

実は、木造建築は「軽いので地震力が小さい」割には、非常に頑丈な建物です。

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地震のメカニズム(新地球紀行)

地震力は地震動の波動によりますが、簡略化して考えます。

地震動は「加速度の波動」であり、建物は「地震動による加速度によってダメージを受ける」ことになります。

そして、地震力は「建物の重量と加速度の積に比例」するので、建物の重量が軽い方が地震に有利です。

地震のメカニズムと建物の耐震性に関して、外部サイト「新建築紀行」でご紹介しています。

日本の伝統的な木造建築の大きな弱点は「火災に弱いこと」ですが、地震には比較的強い面があります。

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東日本大震災(Wikipedia)

非常に頑丈なイメージが強い鉄筋コンクリート造の建物は「重量が大きい」ため、地震力が大きくなります。

さらに、近年の木造建築は接合部の金物が非常に進化しており、頑丈になっています。

そのため、適切に施工されていれば「ある程度の耐震性がある」はずが木造建築です。

その新耐震基準の木造二階建建築・民家が多数倒壊した事実は、調査・検証の必要があります。

申請に構造図不要の木造二階建建築:望まれる早急な法改正

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工事現場(新地球紀行)

実は、木造二階建以下の住宅・民家の規模の建築は建築確認申請の際に「構造計算不要」です。

これは「四号特例」と呼ばれており、「小さな規模の木造建築は基本的設計図書で申請OK」です。

この「四号特例」縮小・一部廃止は、2025年4月に施行される予定です。

こだわりの住宅を設計する建築家・設計者は、木造二階建以下の住宅・民家に対してもマンション等同様に、

これは、専門の構造設計者に
しっかり構造設計してもらおう・・・

と考え、「法律上不要」ですが、構造設計・構造計算して構造設計図書を独自に作成して着工・工事監理します。

「法律上不要な構造計算・構造図作成」には、費用や手間がかかります。

それにも関わらず、木造二階建以下の住宅を設計する建築家たちが、しっかりした構造設計をするのは、

自分の思い描いている
デザインを確実に実現したい・・・

そして、地震にも
強い建築をクライアントに引き渡したい・・・

と考えるからです。

「法令上、構造計算・構造図不要」の一般的な場合は、木造の柱などを提供するプレカット工場が、

うちが簡易な
構造計算を行なって、柱や梁の大きさを決められます・・・

そして、その大きさや数量をもとに、
見積もりして、OKなら納入します!

となります。

この時、接合部の金物などは「ある程度の基準をもとに設置する」という考えて施工されます。

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建築工事現場の金物(新地球紀行)

これらの金物は、多くはステンレスのプレートで非常に頑強です。

建築基準法の耐震性能に合致するように設計され、メーカーは実物大実験を経て販売しています。

木造二階建て以下の住宅で「個別にしっかりした構造設計されている」割合は「1%以下」と考えます。

つまり、「ほとんど全ての木造二階建て以下の住宅」は構造設計もされず、法令の審査も経ていません。

プレカット工場による「簡易な構造計算」はされているものの、それは「審査を経ていない」ことがほとんどです。

さらに、工事現場において「金物等の施工が適切かどうか」も「設計図がない」場合は曖昧です。

金物は
これを使えばいいのかな?

まあ、
それでいいんじゃん?

多くの「木造二階建て以下の住宅」の現場はこのような状況でしょう。

しっかりした工事監理者がいれば別ですが、そもそも「金物も明記した構造設計図」の存在が曖昧です。

この「構造設計及び構造図不要」の四号特例の縮小・改正は、早急にすべきと考えます。

「木造二階建て以下の住宅」等の建築に対する構造の管理を早期に徹底すべきと考えます。

特に大震災・大地震が頻発している我が国においては、「拙速」がベターでしょう。

新地球紀行

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