前回は「電撃訪問」の話でした。
3月4日にチョルノービリ(チェルノブイリ)原発を攻撃したロシア。
世界中が驚愕しました事件でしたが、ロシア軍が「放射性物質略奪か」という疑いが持たれています。

まだ未確認ですが、ロシア政府の指示かどうかは別としても、何ろかの略奪・強奪は実施されたとみて良いでしょう。
更に、キーウ州だけで1200以上の遺体が見つかっています。

21世紀のヨーロッパとは思えない状況にあるウクライナ。
ウクライナを9日に訪問したオーストリアのカール・ネハンマー首相が11日にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談することが明らかになりました。
進行開始以来、EU加盟国首脳がプーチン大統領と会うのは初めてです。

米国・ヨーロッパの首脳と、面と向かって会う状況にはないプーチン大統領。
なんらかの個人的関係か、オーストリアとの国交上の関係か、カール・ネハンマー首相と直接面会することになりました。

つい先日、キーウを電撃訪問し、装甲車120台を含む膨大な支援を約束したジョンソン英首相。

ここまで英国がバックアップするのは、なんとしてもウクライナを屈服させようとするロシアに対して、「ウクライナの屈服は自由主義国の終焉と同意義」と考え、猛烈な姿勢を崩しません。
歴史的・文化的にドイツに近いオーストリア。
英独仏と比較すると小国ともいえ、その影響力は限定的ですが世界に誇るウィーンのある世界文化国とも言えるプライドがあります。
ドイツとの関係上、ショルツ首相とは連携しているでしょう。

その意味では、「ロシアの事も理解できる立場であり、今まで表立って交渉に介入していない」オーストリア首相がプーチン大統領と直接面会するのは、「交渉進展」の期待が持てます。
しかし、ここでプーチン大統領が一気に軟化するとも思えない状況です。
この中、ロシア中央銀行が「対外貿易統計の公表一時停止」を発表しました。
「公表できる状況にない」と言う事でしょう。
それだけ「追い詰められている」ロシア。
積極的に「ロシア包囲網」を構築するジョンソン英首相・トラス英外相の活動が着実な効果を生んでいます。

参院選挙で頭がいっぱいの岸田首相及び自民党幹部。

ロシアから言われたことに対する「明快な反撃」はまだ聞こえません。

「反撃した方が良いが、あまりにタカ派と思われると、選挙にマイナス」と考えているのでしょう。
これに反論するのが「タカ派」なのかどうか。
タカ派以前に「当然派」であると思います。
国民・領土を守るのが政府の最も大事な役目です。
「選挙に対する配慮がどうのこうの」以前に、ロシアに明確に反論して欲しい。
「何言ってんだ!北海道は日本の主権であることは言うまでもない。」と。
ついでに「そういえば、日露戦争講和の時は、お前たちが内乱状態だったから譲歩して樺太南半分で我慢してやったが、本当は樺太全部もらうはずだった。だから樺太には日本の主権がある!お前たちが勝手に居座っている択捉島などの島々に関しては、論ずるまでもないわ!」くらいでちょうど良い。
これくらいなことを原稿読まずに「前を向いてハッキリ」岸田首相が言えば、支持率は急上昇するでしょう。
それはまた、日本が「普通の国家」に向かいつつあることでもあります。