前回は「英国の支援強化」の話でした。
TIME 2022Person of The Year
ゼレンスキー大統領が、TIME誌の”Person of The Year 2022″に選出されました。
これは、少なくとも西側の価値観から考えると至極当然のことと思います。
今年2月に突如ロシアがウクライナに侵攻し、猛烈な勢いで首都キーウに迫りました。
その中、ゼレンスキー大統領は「私は逃げない。ここに留まる!」と国民に呼びかけ、徹底抗戦の構えを見せました。
これは、なかなか出来ることではありません。
ロシアが当初考えていた通り、「まもなくキーウをロシア軍が制圧」するかもしれない事態でした。
英国はじめとする欧州諸国は、
Russiaによる
Kyiv占領など・・・
そんな事態には
絶対にさせない!
と懸命の対応をしていました。
ゼレンスキー大統領の「鋼の如き強き意志」
当初の「ロシア側の想定」を大きく崩した最も大きな原動力。
それは、このゼレンスキー大統領の「鋼の如き強き意志」でした。
この「強い意志」が軸となり、米国はじめとする軍事支援が生きて、ここまでウクライナが抵抗できているのでしょう。
プーチン大統領は、核使用に繰り返し言及していますが、
核兵器
使うかもよ・・・
だが、Russiaが
最初に使うことはない!
と明言しています。
悪いのは、米国などの
西側だ!
ということなのでしょう。
これは、プーチン大統領側の「譲歩」とも取れる姿勢です。
平和な日本では考えられない「悲劇的状況」にあるウクライナ。
2022年中の停戦は見えない状況ですが、もうすぐ10ヶ月となるウクライナ戦争。
ロシアと欧州の関係は、過去最悪に近い状況となり、世界中が混乱を続けています。
プーチン大統領の主張する「併合」は、欧州・米国は「絶対に認められないこと」です。
双方の主張は完全な平行線となっており、交わる気配すら感じられません。
キエフ(キーウ)大公国とウクライナ
かつて、キーウ周辺に大きな領土を有していたキエフ(キーウ)大公国。
9世紀後半から13世紀半ばまで存在した大きな国家でした。
ロシア人の伝統的な視点では、ロシアの歴史はこの「キエフ大公国(公国)の建国」で始まったとされます。
さらに、「ロシアの都市の母」と言われるウクライナ首都キーウ(キエフ)。
歴史的に度々、領土・国境線の変化が起きていた欧州・ロシア地域。
漠然とした自国:日本列島
それに対して、島国に住む私たち日本は、鎌倉時代〜江戸時代の長きに渡り、「大まかに日本が存在した」イメージです。
実態としては、北海道にはアイヌ人が先住民としており、沖縄は琉球という異なる国でした。
ずっと「漠然とした自国:日本列島」が存在し続けた感覚の、私たち日本人。
とても私たち日本人には、ウクライナ人・ロシア人の感覚は分からないのでしょう。
ロシアが実効支配進める地域を「どうするのか?」は、欧州・米国のみならず世界的な問題です。
一方で、上記のように「キーウ(キエフ)」に対するロシア人の「特別な思い」も斟酌する必要があるでしょう。
この時、「完全撤退か占領か」の「0か1」では、交渉はまとまる見込みが全くありません。
非常に難しい状況ですが、ロシアが実効占領している地域を「ウクライナ・ロシア双方でおさめる」ことも考えられます。
ウクライナとしては「とても受け入れ難い」でしょうが、一つの案でしょう。
そして、その際は「ウクライナ・ロシアだけではない、第三者(国)」の存在が必要です。
それは、これまでの経過から「欧州から選ぶ」しか方策はなく、ある程度の大国である必要があります。
英独仏のいずれか一国が間に入る形で、「ロシア・ウクライナ双方歩み寄り」が一つの現実的解決策ではないでしょうか。