前回は「米国の挑戦 13〜米中間選挙・世界的な「現政権への逆風」・米国の台湾防衛方針・変化続けるアジア太平洋〜」の話でした。
米中間選挙:共和党優勢どこまで?
中間選挙投票を11月8日に控える米国。
先月から「共和党支持拡大」が伝えられ、その傾向は変わりません。
共和党・民主党の支持ポイントは46%vs44%などと、2%程度の差で「調査誤差範囲内」です。
バイデン大統領誕生後、民主党が押していた中、共和党支持へ流れが強まっていることは事実です。
巻き返しを図る民主党は、投票日までにウクライナ・経済対策等で何らかの手を追加するかもしれません。
ロシア軍のインフラ攻撃
冬期に零下20度まで下がるウクライナにおいて、ロシアがインフラへの攻撃を強めています。
もともと寒い地域に住んでいるウクライナ人・ロシア人にとっても、冬の寒さは大変なことでしょう。
ウクライナ支援を続ける米英仏等西側諸国。
金銭的・物的支援を強化できるのは米国のみです。
そして、「支援が自国経済に好影響を与える」可能性があります。
具体的には、軍事・先端技術分野への投資などによって、自国の会社の技術革新につながる可能性です。
そこにチャンスを見出して、米国以外の国が、「国家として技術支援を行い、ウクライナ支援を続ける」かどうか。
ここが、各国首脳の判断の分かれ目です。
下落続ける米株価
雇用環境が想定を上回った米国では、利上げ減速期待が薄まり、株価が下落続けています。
これは、「米国の状況が堅調である」証拠でもあります。
インフレ率などの経済環境は、非常に判断が難しい領域のようで、経済学者でも意見が分かれています。
急激な利上げは異常なドル高を呼び、特に「取るに対する円」が短期間に衝撃的に下落続けています。
米国からしたら
Japanも
利上げしたら・・・
と考えているでしょうが、
利上げしない!
と日銀が言っています。
この中、金利上昇で堅調に利益を上げてきたFRBが「利払による損失拡大が増加」しています。
「西側諸国の通貨の大きな下落」を引き起こす、米国の急速な利上げ。
米国経済が堅調であり、インフレ指標も落ち着いてきた中、12月には利上げを少し緩めて50bp程度にすると考えます。
その時、年末にかけて米株は復調してゆくでしょう。
FRBが急速な利上げを続ける時、米株はさらに失速して、世界経済の悪化に拍車をかけそうです。
ますます「FRB次第」となる中、投資市場は過敏になりそうです。