前回は「米国の挑戦 3〜健全なロシア経済・悪化するウクライナの状況・さらなる躍進目指す米国〜」の話でした。
混乱する株式市場
先日、2022年上半期を終えた株式市場。
全ての株式市場が、軒並み暴落する異常事態となりました。
S&P指数は、1970年以降の50年以上の間に「最悪の下落率」となりました。
2020年3月に、新型コロナで一斉に大暴落した世界各国の株式。
この時は、その後に急回復し、2020年上半期終了時点では、米国株式は概ね10~15%減でした。
今年は、それを大きく上回る減少率でした。
一時はバブル気味に上昇していた、ナスダックやダウ平均指数。
一気に下落し、一時は新型コロナ発生直前の、ダウ平均30,000を少し下回りました。
一度上がった株価が、一気に下落する事態になったのです。
特に欧州市場の下落は、非常に強い状況です。
現時点で、英国・ドイツなどの株式指数は、新型コロナ発生時の株価を5%ほど下回っています。
不安定な欧州を反映する欧州市場
これは、天然エネルギーなどの資源調達の大きな苦難が予想される、欧州の不安定な状況を示しています。
急落した後、一進一退の各国株式ですが、日米は共に新型コロナ時点を、5%ほど上回った状況です。
米国は、経済成長を最優先する姿勢を明確にしています。
ここ30年急速な、というより異常な経済成長率を実現してきた中国。
堅調な米国において、バイデン大統領は
ここ30年で、初めてUSが
Chinaを経済成長率で上回る!
と発言しました。
この発言の意味は、非常に大きいです。
成長競う米中
米中の覇権争いは、軍事力では、まだまだ米国が「遥かに上」の中、経済成長においても、米国が急成長させる方針です。
NATOの軍事力・兵器を急拡大することを決定しましたが、その中心は当然、米国です。
新型コロナで、製薬・治療などの企業に期待が集まり、一時は比較的穏やかだった、米国の軍需産業。
ここで、一気に急速に息を吹き返しそうです。
第二次世界大戦後から、「軍産複合体」と形容される米国。
その軍需産業が活性化し、さらにIT技術・エネルギーにも大きな投資と集中が見込まれます。
「西洋は衰退し、東洋が台頭する」と主張してきた中国。
NATOの動きは、その主張に対して「世界は、西洋が中心なのだ!」と言わんばかりです。
この中、「東洋」でありながら「西側」であり、立ち位置が曖昧な日本。
米国・英国を見習って、ハッキリした「国家の方針」を明らかにして欲しい。