前回は「極めて明瞭なルーズベルト大統領の記者会見〜推敲を重ねた原稿・価値がない日本の首相の記者会見・「当たり前のこと」か「遺憾」の言葉〜|意思伝達のポイント3・国際政治際政治」の話でした。
未熟な日本の都市景観:電柱が支配する都市と街並

今回は電柱の話です。
日本は、欧米と比べると昔から電柱が非常に多いです。
戦後高度成長期に、電線埋設による配電と電柱による配電とのコストを比較した時に、

電柱の方が、
はるかに安価だ・・・
「コストが安い」という理由から、電柱がどんどん立ちました。
そして、2000年ごろから「電柱は減らそう」という雰囲気になってきました。
東京でも地方都市でも、どこでも見かける大量の電柱。


日本の大事な歴史的都市・観光都市である京都もまた、例外ではありません。


新たに再開発されて、「電柱がない一角・地域」もありますが、たいていは電柱だらけです。


数多くの電線がある姿は、いかにもアジア的であり「日本的」であるとも言えます。
増加する日本の電柱の本数


この「電柱の本数の実態」は、どうなっているのでしょうか。
実態は増えているのです。
あらめて見ると衝撃的です。
「減らす」どころか増えているのです。
平成20年に3,525万本だった電柱は、平成28年に53万本増加して、3,578万本になっています。
つまり、「毎年約7万本ずつ増加している」のが実態なのです。


LondonもParisも、電柱はほとんど見かけません。


「毎年約7万本増加している」ということは、「1日約190本増加している」ことになります。
「たった1日の間に、約190本の電柱が増加している」先進国日本。
これで本当に先進国なのでしょうか。
電柱が林立している姿を見る時、



日本は、
実は後進国なのではないか?
「日本は後進国では」とすら思ってしまいます。
景観と防災の大問題:醜く危険な柱上変圧器


電柱には多数の問題点があります。
まず、醜いです。
電柱だけでも十分醜いのに、それに大きなトランスが乗っかっています。
あの円筒形の醜いトランス・変圧器。
柱上変圧器は、高い電圧を下げ、家庭用の電圧にする大事な役割を果たしています。


変電所から送られてくる6,600ボルトもの高圧電流。
この強力な高圧電圧を、100ボルト・200ボルトに変換する役割をもつのが変圧器です。
大事な役割を持っているのですが、非常に景観上悪いです。
更に黒くて太い電線が縦横無尽に張り巡らされているのをみると、なんとも嫌な気持ちになります。



電柱も
電線も邪魔・・・
写真を撮った時、電柱が映らなくて電線だけであっても、残念な気持ちになります。
地震の際に、電柱だけでも倒れてきたら危険だと思います。
上に乗っている柱上変圧器が落ちてきたら、大変なことになります。
「醜すぎて」「危険すぎる」と思います。
「景観を美しくする」以前に、とても危険な柱上変圧器の存在。
行政には、少しでも「身の回りの街を考えて、景観と防災を考える」姿勢を持って欲しい。
そして、それは「日本の街・都市を変える」ための「小さく、大きな第一歩」になると考えます。
次回は上記リンクです。