前回は「リメンバー・パール・ハーバー 12〜押しきられる山本長官〜」の話でした。

年功序列とも言える「先任順序」を絶対に曲げない及川海軍大臣。
山本長官は、悩みに悩みます。

南雲はもともと航空専門ではなく、山本は南雲とはウマが合わず、ロクに口をきく間柄ですらありません。
真珠湾奇襲攻撃は、日本海軍のみならず「日本の運命を左右する」超重要作戦。
この作戦を実施する最高責任者である航空艦隊司令長官の人事。

こんなことで良いのか?
山本長官は考え込みます。


連合艦隊・海軍省・軍令部の幹部のほぼ全員が、海軍兵学校出身という環境。
日本海軍を会社に例えれば、「会社の社員ほぼ全員が、同じ大学出身」という環境です。
この環境では、どうあっても「大学の先輩・後輩の序列」がずっと続きます。
息が詰まるような環境でしょう。



南雲か・・・
海兵36期卒業の南雲忠一は、海兵32期卒業の山本長官の4期後輩。
4期違うと、もはや「完全な上下関係」があります。
そして、32期卒の山本長官の4期上が28期卒業の永野軍令部総長。


「4期の違い」は中高一貫校で、中学1年生と高校2年生の関係。
海軍兵学校はいわば大学的な位置ですが、これだけの期の違いは大きいです。



南雲なんかに任せて良いのか?



小沢か山口ならば、
任せられるのだが・・・
「海軍兵学校の先輩・後輩」の上下関係の中、奇襲攻撃成功に万全期したい山本は煩悶します。