NATOの急速な拡大〜トルコの目論み・世界の軸となる軍事同盟・攻勢強めるロシア軍〜|国際戦略

前回は「欧州の危機 2〜エネルギー危機の欧州・ロシアの「資源封鎖」と広がる欧州の不安・堅調な成長続ける米国〜」の話でした。

目次

NATOの急速な拡大:トルコの目論み

左上から時計回りに、Ursula Gertrud von der Leyen欧州委員会委員長、Emmanuel Macron仏大統領、Sanna Marinフィンランド首相、Olaf Scholz独首相(Wikipedia)

NATOの動きに急展開がありました。

NATO加盟申請をしたフィンランドとスウェーデン。

加盟には「NATOに現在加盟する全ての国の賛成が必要」で、非常に高いハードルです。

この中、「反対する」と表明していたトルコのエルドアン首相。

フィンランド・スウェーデンの早期加盟は、困難と見られていました。

Recep Erdoğanトルコ大統領(Wikipedia)

ところが、猛烈に反対していたエルドアン首相が変化しました。

一転して、フィンランド・スウェーデンのNATO加盟支持に合意しました。

世界の軸となる軍事同盟・NATO

ちょうど、G7のタイミングで、様々な交渉や協議があったのでしょう。

この非常に早い展開は、天然ガスなどの資源確保に悩む欧州の思惑が、非常に強いと思われます。

1997年以降に、欧州で急拡大したNATO。

NATO加盟国(Wikipedia)

北アメリカの米国・カナダを加えると非常に強力な軍事同盟です。

比較的、ロシアとの関係も良いトルコ。

プーチン大統領が猛反対する「フィンランド・スウェーデンNATO加盟」を支持するに至ったのです。

G7では、ロシア対策では各国の折衝が続き、対外的には大きな成果が公表されていません。

G7との関係は不明ですが、このトルコの動きこそが「最も大きな成果」であると考えます。

攻勢強めるロシア軍

左上から時計回りに、Volodymyr Zelenskyウクライナ大統領、Joe Biden米大統領、Xi Jinping(習近平)中国家主席、Vladimir Putin露大統領(Wikipedia)

この動きを知ってか、攻勢強めるロシア軍。

ウクライナ中部の商業施設に、ミサイル攻撃しました。

欧州・米国とロシア・中国が駆け引きする中、インドもロシア寄りです。

世界の軍事力ランキングの指標は様々ですが、米国は常に1位で、ロシアか中国が2位。

日本は、5位〜7位くらいです。

急拡大する世界軍事同盟NATOに、「アライアンス」としてしか参加できない日本。

なんらかの軍事的枠組に、日本がしっかり入ってゆくことが必須であると考えます。

新地球紀行

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