前回は「欧州の危機 2」の話でした。
NATOの動きに急展開がありました。
NATO加盟申請をしたフィンランドとスウェーデン。
加盟には「NATOに現在加盟する全ての国の賛成が必要」で、非常に高いハードルです。
この中、「反対する」と表明していたトルコのエルドアン首相。
フィンランド・スウェーデンの早期加盟は、困難と見られていました。

JP

北欧2国、NATO加盟実現の見通し トルコが一転支持で合意
北欧フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を巡り、これまで難色を示していたトルコが28日、一転支持することで合意した。これにより、北欧2カ…
しかし、反対していたエルドアン首相が、一転して、フィンランド・スウェーデンのNATO加盟支持に合意しました。
ちょうど、G7のタイミングで、様々な交渉や協議があったのでしょう。
この非常に早い展開は、天然ガスなどの資源確保に悩む欧州の思惑が、非常に強いと思われます。

1997年以降に、欧州で急拡大したNATO。

北アメリカの米国・カナダを加えると非常に強力な軍事同盟です。
比較的、ロシアとの関係も良いトルコでしたが、プーチン大統領が猛反対する「フィンランド・スウェーデンNATO加盟」を支持するに至ったのです。

G7では、ロシア対策では各国の折衝が続き、対外的には大きな成果が公表されていません。
WSJ Japan

即効薬なきロシア制裁策、G7会合では手詰まり感も
先進7カ国(G7)はウクライナ侵攻を続けるロシアへの追加制裁措置の検討を続けることで合意したものの、経済的手段で制裁を加えることの限界も浮き彫りになった。
G7との関係は不明ですが、このトルコの動きこそが「最も大きな成果」であると考えます。
この動きを知ってか、攻勢強めるロシア軍。
BBCニュース


ウクライナ中部の商業施設にミサイル攻撃、ロシアの戦争犯罪だとG7首脳 – BBCニュース
ウクライナ中部ポルタワ州クレメンチュクのショッピングセンターに27日、ミサイル攻撃があり、少なくとも18人が死亡、59人が負傷した。ドイツで集まっている主要7カ国(G7…
ウクライナ中部の商業施設に、ミサイル攻撃しました。

欧州・米国とロシア・中国が駆け引きする中、インドもロシア寄りです。
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2023 Military Strength Ranking
Ranking the nations of the world based on current available firepower.
世界の軍事力ランキングの指標は様々ですが、米国は常に1位で、ロシアか中国が2位。
日本は、5位〜7位くらいです。
急拡大する世界軍事同盟NATOに、「アライアンス」としてしか参加できない日本。
なんらかの軍事的枠組に、日本がしっかり入ってゆくことが必須であると考えます。