前回は「欧州の危機 2〜エネルギー危機の欧州・ロシアの「資源封鎖」と広がる欧州の不安・堅調な成長続ける米国〜」の話でした。
NATOの急速な拡大:トルコの目論み

NATOの動きに急展開がありました。
NATO加盟申請をしたフィンランドとスウェーデン。
加盟には「NATOに現在加盟する全ての国の賛成が必要」で、非常に高いハードルです。
この中、「反対する」と表明していたトルコのエルドアン首相。
フィンランド・スウェーデンの早期加盟は、困難と見られていました。

ところが、猛烈に反対していたエルドアン首相が変化しました。
一転して、フィンランド・スウェーデンのNATO加盟支持に合意しました。
世界の軸となる軍事同盟・NATO

ちょうど、G7のタイミングで、様々な交渉や協議があったのでしょう。
この非常に早い展開は、天然ガスなどの資源確保に悩む欧州の思惑が、非常に強いと思われます。
1997年以降に、欧州で急拡大したNATO。

北アメリカの米国・カナダを加えると非常に強力な軍事同盟です。
比較的、ロシアとの関係も良いトルコ。
プーチン大統領が猛反対する「フィンランド・スウェーデンNATO加盟」を支持するに至ったのです。
G7では、ロシア対策では各国の折衝が続き、対外的には大きな成果が公表されていません。
G7との関係は不明ですが、このトルコの動きこそが「最も大きな成果」であると考えます。
攻勢強めるロシア軍

この動きを知ってか、攻勢強めるロシア軍。

ウクライナ中部の商業施設に、ミサイル攻撃しました。
欧州・米国とロシア・中国が駆け引きする中、インドもロシア寄りです。
世界の軍事力ランキングの指標は様々ですが、米国は常に1位で、ロシアか中国が2位。
日本は、5位〜7位くらいです。
急拡大する世界軍事同盟NATOに、「アライアンス」としてしか参加できない日本。
なんらかの軍事的枠組に、日本がしっかり入ってゆくことが必須であると考えます。