前回は「強化すべき日伊関係〜歴史的に希薄な日伊関係・アジアにおいて存在感が薄いイタリア・日本のイタリア食文化「ピザとパスタ」の影響力〜」の話でした。
英海軍と海上自衛隊の共演@テムズ川

海上自衛隊と英海軍がロンドンのテムズ川で共演を行いました。

あのタワーブリッジを日本の海上自衛隊艦が「通過する」というデモンストレーションを行いました。
先日の東シナ海での日豪伊独仏共同訓練と比較すると、多分にセレモニー的な共演です。
これは「訓練」ではなく、日英海軍(自衛隊)の関係が「強固であることを演じている」のでしょう。

英海軍旗と「かしま」が一緒に映る写真を堂々と出していることが、その関係を象徴しています。
日本から出動した「かしま」は練習艦という扱いですが、駆逐艦相当と考えられます。
このちょっとした演出ですが、日英関係の将来を考えるとき、非常に重要なことと考えます。

今年2024年、7月に英国総選挙で大ドンデン返しが発生して、保守党から労働党に政権が移りました。
そして、新たに首相となったのが、Keir Starmer英首相です。
労働党の発想からすれば、このような露骨とも言える軍事演出は好ましくないでしょう。

Ukraineで戦争が続いており、
我がGreat Britainは支援を続けたい・・・



だが、遠いJapanと軍事演習して
何かメリットがあるのか?
Starmer英首相は、こう考えているのが本音ではないでしょうか。
同盟国とすべき最良の国・英国:幕末維新以降の深い日英関係


20世紀後半頃からは、いつも「米国と中国に挟まれている」感じの日本。
日本にとって、最も歴史的に関係が深いのは中国です。
一方で、近現代史を考えると、第二次世界大戦後に一時米国の占領を受けた日本。
日本にとって「ただ一つの同盟国」でもある米国は、どうしても対外関係において「抜群の筆頭」です。


「米国のペリー提督から始まった」ように教科書で表現されることが多い幕末維新の歴史。
あたかも、「米国との関係が幕末維新に大きな影響を与えた」ように感じます。
この視点は「事実の一つ」ですが、幕末維新においては、英仏の方が存在感が強かったのが現実です。



我がUnited Statesは
太平洋を渡って、Japanへ!
「西へ西へ向かっていた」米国は、日本や中国への進出を考えました。



当面、JapanもChinaも
どうでも良いわ!
ところが、「それどころではなくなった」事態が勃発しました。
1861年から1865年まで続いた、大内戦であるCivil War(南北戦争)が勃発したからです。



United Statesもいなくなったし、
我がGreat BritainがJapanへ!


勢いに乗った大英帝国は、薩摩と戦争した後に、薩摩と提携する道を選びました。
薩英戦争の話は、上記リンクでご紹介しています。





エゲレス(大英帝国)と
薩摩は仲良かか!



我が薩摩と関係が深いエゲレス(大英帝国)には、
引き続き、新政府でも力になってもらおう!
そして、明治新政府において「特等席」の立場を持つに至った大英帝国。
1902年の日英同盟などを経て、基本的に「大日本帝国を支援する」姿勢を堅持しました。
その後、第二次世界大戦では、完全に敵対関係となった日英関係。
同じ「海洋国家」であり、民族性・志向性も類似性が強い英国。
英国とは、同盟を結ぶ方針がベストと考えます。