前回は「日本の危機 1」の話でした。
参院選と日本のカラー

来週実施の参院選で、頭がいっぱいの日本政府。
最近は、欧州などで現政権に対して厳しい結果が続く中、日本政府の幹部が、その余波を気にしているのでしょう。
フランスでは、大統領選挙を勝ち抜いたばかりのマクロン大統領。
大統領選挙直後の総選挙で、与党連合が大敗しました。
英国では、与党・保守党が強い選挙区での補欠選挙で、続けて惨敗しました。
世界中でインフレが続く中、特に欧州ではエネルギー問題が非常に大きな問題です。
ロシアの欧州向けエネルギーへの思惑

プーチン大統領が、今年の冬に「欧州への天然ガス供給を止める可能性」が指摘されています。
資源が、ほとんどないものの、エネルギー等に関してそこまで逼迫していない日本。
特に日本の政権与党は、「クリーンエネルギー」と「防衛力強化」を公約に掲げています。

ただ、先進国で最悪の状況とも言える、日本の財源を巡っては、その具体性は乏しい状況です。
「防衛力強化」と言っても、領海・領空にロシア・中国軍機・軍船が徘徊していても、「遺憾」しか言わない日本。
国家のカラー・方向性が、見えません。
これは、政権与党だけではなく、野党も同じで、なんとなく主張している方向性が「大体同じ」に感じてしまいます。
NATO急拡大の中、日本が「QUADで、どのような役割を果たすか」や「AUKUSとの関係」も聞こえてこない。
30年以上前から、「日本のインテリジェンスをどうするか?」も「憲法改正」も相変わらず、玉虫色な感じです。
はっきりしたヴィジョンが見えない日本の政治

時々、選挙演説を聞いていると、
Aさんがいないと、
日本の安全保障の適切な議論ができない!
と応援演説があります。
そして、Aさんは、現在国会議員ではない方。
この応援演説は、日本語的な「建前とニュアンス」があります。
そして、
それほどAさんは必要!
だから当選させてあげて下さい!
という意味です。
ところが、この論法では「(Aさん不在で)日本では現在、安全保障の適切な議論が出来ていない」ことになります。
これは、大変恐ろしい状況です。
あくまで、応援演説なので、ここまで真面目に考える必要はないかも知れません。
政権与党は、「ちょっとした(防衛など)方針があれば、玉虫色の方が選挙に有利」と判断しているように感じます。
しかし、しっかりしたヴィジョンを示してくれた方が、しっかり考えている方が、その候補者・党に投票すると思います。
選挙まで一週間切りましたが、政権与党には、もっとハッキリしたヴィジョンを示して欲しいと思います。