急落する世界の株価と崩れる「高いインフレと高い株価」〜下落に向かう日本株と円安・影響力が極めて限定的な日銀・全面戦争寸前の中東・小さくて強力な国家イスラエル〜|世界経済・戦略

前回は「史上最高値の米国株と日本株〜「預金から株へ」の異常な勢い・年内利下げを目論むFRB・米国らしい合理的発想・米CPIの行方〜」の話でした。

目次

全面戦争寸前の中東:小さくて強力な国家・イスラエル

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イスラエル(Wikipedia)

中東にあるとても小さな国でありながら、とても大きな力を持っている国・イスラエル。

イスラエルの国土の面積は約22,072km2であり、日本の四国の面積と18,298km2と似たサイズです。

国・地域名称面積(約km2)
四国(島)18,298
イスラエル22,072
九州(島)42,231
日本377,973
日本とイスラエルの面積

九州(島)の面積の約半分ほどのサイズの国家がイスラエルであり、日本全体の1/17ほどです。

国家・人口のサイズと比較して、ノーベル賞受賞者の数が異例に多いことでも有名なイスラエル。

2024年現在、ノーベル賞受賞者数を比較すると日本の28名に対して、イスラエルは13名です。

この小さくて極めて強力な国家であるイスラエルが、中東で戦火を拡大しています。

長年の仇敵であるパレスチナとの間で、昨年イスラエル・ガザ戦争が勃発。

さらに、最近はイランと戦争状態にあり、中東は大混乱に陥っています。

中東が「全面戦争寸前」の中、米国はじめ世界各国が様々な働きかけをしています。

ところが、先は見えない状況が続きます。

急落する世界の株価と崩れる「高いインフレと高い株価」

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左上から時計回りに、Rishi Sunak英首相、Joe Biden米大統領、Olaf Scholz独首相、Emmanuel Macron仏大統領(Wikipedia)

世界中が混乱する方向にある中、大きく上昇していた各国株価は下落を続けています。

猛烈な勢いで上昇を続けていたNvidiaに至っては、4月19日に10%の下落となりました。

一時は950ドルほどまで上がり続けたNvidia株は、

この勢いなら、
1,200ドルほどになるのでは・・・

という声もありましたが、直近で急落して750ドルほどになりました。

この下落は「高すぎた」ことが大きな理由ですが、米国ハイテク株も下落を続けています。

コロナ以後、ウクライナ戦争、イスラエル・ガザ戦争と大きなリスクが広がる中、上昇続けた株価。

この「株価の上昇」は、強いインフレの結果でもありました。

それでも、誰から見ても異常な事態であった「高い株価」は、当面下落しそうです。

下落に向かう日本株と円安:影響力が極めて限定的な日銀

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左上から時計回りにPowell FRB議長、Christine Lagarde欧州中央銀行(ECB)総裁、Andrew Bailey英国中央銀行総裁、植田和男 日銀総裁(Wikipedia)

やっと、日本株もバブル超えを
果たした!

と盛り上がり続けた日本株もまた、大きな下落に転じています。

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日経平均株価推移(社会実情データ図録)

インフレと異常な円安の影響もあり、グイグイ上昇を続けていた日本株。

「上昇続ける世界株」と比較しても、2023年末からの上昇は極めて異常な勢いでした。

一時は41,000円目前まで行った日経平均株価は、10%ほど下落して、37,000円を割り込みました。

この中、ワシントンで講演した植田日銀総裁。

我がJapanは
異常なマイナス金利を解除しました!

追加利上げの可能性が
非常に高いです・・

日銀の「追加利上げの可能性」を強く示唆しました。

この植田総裁の話を大きく取り上げるのは日本のメディアくらいで、世界の金融市場から見れば、

Japanもいよいよ
金利引き上げなのかどうか・・・

まあ、世界経済に多少は影響
なくはないが・・・

そんなことよりも、USの
政策金利の方が遥かに大事だよな・・・

こんな感じでしょう。

せいぜいあげるとしても「0.25%程度が関の山」と考えられる日本の金利。

ここで、もし植田総裁が、

日本の政策金利を0.75%
引き上げます!

とでも決定すれば、市場を「多少は驚きを持って迎える」でしょうが、それはなさそうです。

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黒田東彦 前日銀総裁(Wikipedia)

「黒田バズーカ」によって、大量に出回ってしまった日本円。

こんなに円をばら撒いているのに、
全然インフレにならない・・・

と思っていたところに、世界で異常なインフレ傾向が続き、日本でも猛烈なインフレが続いています。

この中、下落を続けた円はついに154円/ドルほどまで円安になりました。

円を安くして「日本という国家を安売りし続ける」亡国の組織・日銀。

もはや「打つ手なし」に近い状況です。

それでも、FRBのような「思い切った金利引き上げ」をすれば、「世界に日銀あり」となるでしょう。

ところが、「それを期待する」のは到底難しそうです。

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