イエレン財務長官から叱責受けた日銀〜危険レベルの円安進行・「禁じ手」のマイナス金利と日本の金融・思考停止の無難思考・世界とズレまくる日本の発想〜|世界経済・戦略

前回は「急落する世界の株価と崩れる「高いインフレと高い株価」〜下落に向かう日本株と円安・影響力が極めて限定的な日銀・全面戦争寸前の中東・小さくて強力な国家イスラエル〜」の話でした。

目次

「禁じ手」のマイナス金利と日本の金融

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世界の都市・街(新地球紀行)

世界各国の政策金利と比較して、異常に低い日本の政策金利は現在0.1%です。

これに対して、米国は5.25%、欧州は4.00%と「正常な金利」です。

そもそもは、つい最近まで異常すぎる「マイナス金利」がずっと続いていた日本の金利。

一体いつになったら、
Japanはマイナス金利を解除するのか・・・

と考えられていた、この異常極まりない「禁じ手」の政策。

この「マイナス金利」を導入した国は他にもありますが、「禁じ手」であることに変わりはありません。

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黒田東彦 前日銀総裁(Wikipedia)

我がJapanは
マイナス金利にします!

2016年1月に、当時の黒田日銀総裁主導で、導入された極めて異常な政策。

その後、8年余りの長きに時間に渡って続いてきました。

この間、「異常事態が通常」という事態が続いた日本の金融界。

思考停止の無難思考:世界とズレまくる日本の発想

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左上から時計回りにPowell FRB議長、Christine Lagarde欧州中央銀行(ECB)総裁、Andrew Bailey英国中央銀行総裁、植田和男 日銀総裁(Wikipedia)

21世紀になってから、世界では大きな出来事・事件が頻発しています。

日本がマイナス金利を設定した2016年以降だけでも、数多くの大きな出来事が勃発しました。

新型コロナ、ウクライナ戦争、ガザ・イスラエル戦争など枚挙にいとまがありません。

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日米欧の政策金利(Bloomberg)

世界の中央銀行は「金融の舵取り」として、金利の引き上げ・引き下げを頻繁に行ってきました。

そして、新型コロナ以降の「急速すぎるインフレ」に対して、

我がUSは
急速に金利を引き上げます!

猛烈な勢いで金利引き上げを行ったのがFRBであり、ECBも同様な引き上げを行いました。

ところが、

まあ、日本の政策金利は
マイナスのままで・・・

日本の「金利引き上げが困難」な理由は多数ありますが、思考停止の如く「変化なし」でした。

Japanはマイナス金利のまま、
一体何考えているのだ?

世界から様々な憶測を読んだであろう、この謎の「マイナス金利維持」は、

金利引き上げたいが、
色々と大変だから・・・

「何もしない」のが
無難ではないか・・・

実は、単なる「思考停止による無難思考」の結果だったのかも知れません。

イエレン財務長官の叱責受けた日銀:危険レベルの円安進行

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Janet Yellen財務長官(Wikipedia)

長い間、マイナス金利という異常事態が続いた日本は、2024年になって、

我がJapanは
異常なマイナス金利を解除しました!

やっと「マイナス金利解除」になりました。

そして、

追加利上げの可能性が
非常に高いです・・

と新たに就任した植田総裁は「追加利上げ」をチラつかせていますが、

どうせ、Japanは
何もしないのでは・・・

と世界から「何もしないJapan」の見方が完全に浸透してしまった日本。

この中、異常な勢いで円安が進行し、ついに155円/ドルを超える危険なレベルになりました。

これは流石に
そろそろ為替介入かな・・・

と考えていた日銀。

ここに「待った」をかけた人物がいました。

この「日銀による為替介入」のタイミングで、

為替市場への介入は、
まれな出来事であるべきだ!

と発言したのが、イエレン財務長官でした。

これは、つまり、

Japan Bankの為替介入は
「ちょっと待った」!

中央銀行が安易に為替介入
したら、市場がおかしくなるでしょ!

いわば、米国の財務長官に「叱責される」格好となった日銀。

いかに日本が米国よりも「格下の存在」とは言え、「叱責される」状況はおかしいでしょう。

ここで、日銀が「我が道を進む」のか、「叱責されて引っ込む」のか。

日本銀行と日本政府の「根幹的な姿勢」が問われています。

新地球紀行

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