前回は「国家の顔と国家元首のカラー〜国の存在感と文化・フランスの顔・マクロン大統領とコルビュジェ・TIME誌が選ぶ日本の顔・Kishidaカラーの必要性〜」の話でした。
全てがひっくり返った2024年フランス総選挙:極右政党の超躍進

フランスで総選挙の結果が速報され、極右と言われる”National Rally”が大躍進しました。
事前報道から、マクロン大統領率いる与党”Ensemble Alliance”は劣勢が伝えられていました。
速報結果によって、”National Rally”は事前の想定以上の大躍進を超える「超躍進」となりました。
政党名 | 現有議席 | 速報結果 |
Ensemble Alliance | 249 | 70-100 |
New Popular Front | 149 | 205-245 |
National Rally | 89 | 230-280 |
左派である”New Popular Front”の躍進も著しいですが、与党”Ensemble Alliance”は大敗北です。
現有議席が249に対して、BBCによる出口調査では70-100程度であり、現有の30%~40%程度です。
フランスは大統領制なので、国家元首はマクロン大統領のままとなります。
一方で、これほどの大惨敗を迎えると、政権運営はまともにできなくなります。
さらに極右政党が凄まじい勢いを持つことになったフランスの政治状況は、大きく変化します。
トップ3の政党の議席が「一気にひっくり返る」選挙結果は、そうそう目にする事態ではありません。
不安定化する欧州:「大きなChange」を望む民衆

フランスで総選挙が行われた一週間後の7月4日には、英国で総選挙が行われる予定です。
長らく「英仏」として、歴史上「欧州のトップ」に君臨し続けてきたのが両国です。
英国でもまた、現職のRishi Sunak首相率いる保守党が極めて危険な状況です。
政党名 | 支持率 |
Labor Party | 40 |
Conservative Party | 20 |
Reform UK | 16 |
与党であり首相に率いられている保守党が、支持率において野党・労働党の半分の20%です。
さらに、新党”Reform UK”が猛烈な勢いを持って、与党に迫る勢いを持っています。
“Reform UK”という名前からして、いかにも新党であり「新顔」を思わせる政党名。
民主主義の歴史が最も長い英国において、「政権交代確実」の状況となっています。
最近、X(Twitter)で様々な民衆との触れ合いを発信しているSunak首相。
筆者は、頭脳明晰でハッキリしているSunak首相を応援しています。
2年前のJohnson首相、Truss首相の辞任後、英国を率いてきたSunak首相。

私はかなりの実績を
上げているのだ!
Goldman Sachs出身のSunak首相の得意分野はもちろん経済であり、最初から「経済一押し」でした。
その結果、英国では経済成長率が主要国の中で高く、さらにインフレ率は徐々に抑えられています。
ところが、
Sunak政権によって、
我がUKの債務がどんどん増えているのだ!
という指摘を受け、「将来の増税」への不安が英国民に広がっています。
この中、
Sunak政権ではなく、
新たな政権で減税を!
という声がそのまま「Labor Party(労働党)支持」となっている、比較的分かりやすい構図です。
「債務の増加は当然」と考えられている我が国とは対照的であり、非常にしっかりしている英国民。
コロナ後の世界情勢において、「債務の増加なしに経済成長・インフレ抑制は不可能」でした。
この中、最も適正な経済運営を行い、英国及び欧州を引っ張り続けているSunak首相。
欧州が全体的に「大きなChangeを望む」民衆が増えている中、英国民の判断が待たれます。
次回は上記リンクです。