前回は「イエレン財務長官から叱責受けた日銀〜危険レベルの円安進行・「禁じ手」のマイナス金利と日本の金融・思考停止の無難思考・世界とズレまくる日本の発想〜」の話でした。
果断に政策金利を操る「通貨の司令官」中央銀行総裁たち

「マイナス金利」という以上な経済状況が続いた日本円。
そして、コロナショックで世界中で物価高が続き、世界の中央銀行が大きな利上げに踏み切りました。
それでも事実上の「ゼロ金利」である政策金利を堅持し続けた日本円。

「通貨の司令官」を自認するパウエルFRB議長は、2022年に凄まじい勢いの利上げを行い、

俺たちが司令塔となって
このインフレを退治するのだ!



政策金利の決定こそが、
極めて大事なのだ!
「ゼロ金利」に近い状況であった米国の政策金利は、階段を駆け上がるように6%近くまで上昇しました。


「ずっと低空飛行」の日本の金利と比較すると、米欧の金利はジェットコースターのように感じます。
上記リンクでご紹介しました通り、米国や欧州の中央銀行総裁には、常にある種の緊張感がみなぎっています。



俺たちがしっかり
金利の舵取りをしなければ!



俺たちが米国の、ひいては
世界の経済を動かしているのだ!
そして、2022年には最も大きい時には「0.75%の利上げ」を果断に実行しました。
いかに当時の米国CPIが急上昇だったとしても、



0.75%もの
政策金利の引き上げをして大丈夫だろうか・・・



・・・・・



よしっ!
ここは一気に0.75%引き上げるぞ!
この「思い切りの良い決定」の背景は、経済理論などの背景ではなく、パウエル議長の経験によるものでしょう。
そして、米国は強い金利の引き上げの結果、インフレを抑え込みつつあります。
利上げのタイミングが遅すぎた日銀・植田総裁:日本の株価への痛恨の打撃


世界各国の中央銀行総裁が利上げの指令を下す中、



私たちは「通貨の番人」だから、
じっと番人として見守っています・・・



ずっと為替を
注視しています・・・
中央銀行幹部であれば「為替を注視する」のは「当然のこと」です。



一体いつになったら、
Japanはマイナス金利を解除するのか・・・
このような世界からの声がずっと聞こえ続けた中、



Japanは金融緩和を
続けます!
各国通貨の政策金利が上がる中、「ゼロ金利」の日本円の価値は急落を続けました。



おいおい、「安全資産」と言われた
yenが異様に安いな・・・



それはそうだろう・・・
金利が0%では、どうしようもない・・・
2024年に下落を続けた日本円は、ついに1ドル160円まで急落しました。



円安になったら、
株価が上がるから良いでしょう!
ドルやユーロに対して「異常な円安」から、「ドル換算」等で日本の株価は割安に写りました。



Japanの大会社の
株価は、ドル建てで見ると安いな・・・



Japanの株を
今のうちに買っておこう!
さらに、異常な円安は「日本への観光客の急増」ももたらし、



yenが安いから、
今のうちにJapanへ行ってみよう!
大勢の方が外国からいらっしゃるのは、日本人として嬉しいですが、その理由が、



yenが安いから、
Japanでブランド品買うと安い!
このような理由であれば、嬉しいのではなく、少しガッカリです。
新NISAの影響もあり、ジャパンマネーが株や投資信託に流れ込んで、円安効果に加わって日経平均は暴騰しました。
2024年3月頃から、10円ほど一気に円安になったこともあり、



このままでは、
ドル円は、180円とかになるのでは・・・
このような懸念も聞こえてきました。
せめてこの辺りで、一気に「果断に決断」すればよかったのですが、「注視」は続きました。



遅ればせながら、
日本の政策金利を0.25%引き上げます・・・
2024年7月31日に「政策金利0.25%引き上げ」のニュースが世界を駆け巡り、



おっ、この感じだと、
日本の金利は、すぐに1%超えるか?



まあ、ずっとJapanは
マイナス金利かゼロ金利だったからな・・・



Japaneseは変わり始めると、
一気に変わる傾向があるしな・・・
日本の政策金利への期待もあり、急速に円高となり、160円/ドルから一気に145円/ドルほどに急進した円。
「自国通貨が強くなる」のは大変嬉しいことですが、タイミングが最悪でした。
「注視を継続」した結果、日経平均が異様な暴騰を続け、日本の大企業の株価が「上がり過ぎた」状況になりました。
そして、ちょうど「米国ハイテク株への懸念が広がった」状況とちょうど重なったタイミングで、



今更ながら、
日本の政策金利を0.25%引き上げます・・・
これによって「急速すぎる円高」が進んでしまい、日本経済にショックが走りました。
そして、2024年8月2日には史上二番目の下落幅となった日経平均株価。
なんと、8月2日は「2200円を超える暴落」となり、本記事執筆時の8月5日12:50でも2100円を超える暴落です。
一時は42,000円を超えた「猛烈な勢い」だった日経平均は、34,000円を切る推移まで下落しました。
この「遅すぎる日銀の決定」によってもたらされた日本経済の混乱は「人災」と言えるでしょう。
なぜ、もっと早く「利上げの決定」をしなかったのか、理解に苦しみます。
日本株は、しばらくは調整しながら下落傾向を続け、一度30,000円を切る水準まで下がると考えます。
次回は上記リンクです。