国家資格の重みが軽い日本〜偽医師と偽一級建築士・偽弁護士が少ない理由・弁護士記章の重みと偽造の難しさ・一級建築士の受験資格・偽造が多数あると思われる「実務経験」・国家資格の重要性と受験資格の全数調査の必要性〜|世界と日本

前回は「おぞましい「ジャニーズ事務所事件」〜日本の根幹的問題・日本的発想と西側世界スタンダード的発想の大きなズレ・日本的発想で乗り切れるか〜」の話でした。

目次

国家資格の重みが軽い日本:偽医師と偽一級建築士

工事現場(新地球紀行)

時々報道で、「偽医師逮捕」とか「偽建築士逮捕」というニュースが流れます。

逮捕された人物は「偽の資格証を偽造」などして、「国家資格者」になりすまして報酬を得るなどしていることが多いです。

まだまだIT化が進まない日本の行政。

海外の状況は分かりませんが、国家資格者はどこかで集約して国家が管理すべきだと考えます。

偽造しようと思えば、個人が使用するソフトでも画像を作ることが簡単になった現代。

「資格証の名前を改ざん」は、5分もかからずに可能です。

Photoshop等の画像加工ソフトを使用すれば、それほど手慣れてない方でも簡単に画像修正が可能です。

だからこそ、IT化を進めて、

日本の全ての医師は
このサイトに登録されています。

というウェブサイトがあれば良いでしょう。

国家資格だからこそ、そういう「資格保有の有無が簡単に判明する」情報サイトは大事です。

海外では猛烈な勢いでIT化が進んでいる中、まだまだ「FAXが使われている」日本。

「IT後進国」と言われて久しいですが、「IT超後進国」なのでしょう。

建築士では、「二級建築士の方が一級建築士になりすまして業務」という事例が過去にあります。

僕は一級建築士ですが、やはり国家資格はしっかりと「国家が管理すべき」存在だと思います。

国家資格の重みがこれほど軽い国は、少なくとも先進国では日本くらいではないでしょうか。

偽弁護士が少ない理由:弁護士記章の重みと偽造の難しさ

弁護士記章(Wikipedia)

偽医師・偽一級建築士は結構報道に出ますが、「偽弁護士」はあまり聞きません。

その大きな理由は、「弁護士の資格証明」である「弁護士記章」の存在が強いと思います。

紙幣のように「特殊加工」はしていないと思われる弁護士記章。

こういうバッジ類を作成する会社や工場関係者であれば、「偽造は難しくない」かもしれません。

一方で、個人がバッジを偽装するのは非常に困難です。

「偽弁護士が少ない」理由は、この「弁護士記章」の存在が大きな理由と考えます。

あのキラリと光る「弁護士記章」の存在感はなかなかのものです。

仕事上、弁護士の方と一緒にクライアント・依頼主と会うことがあります。

弁護士の方は私たち建築士と違って、大抵はバリっとした格好をしています。

いかにも

私は
弁護士です!

という感じの服装で「弁護士記章」を身につけていると、いかにもプロフェッショナルです。

対して、一級建築士・建築家の中には、ジーンズなどで仕事する方が多いのが実情です。

僕は、性格もありますが比較的きっちりした服装をしています。

スーツまで着ることは少ないですが、ジーンズで仕事に臨むことは「依頼主に失礼」と考えています。

ある程度「きっちりした服装」でも、弁護士と一緒だと少し見劣りがする気がしてしまうことがあります。

その理由は、服装と記章によるのでしょう。

医師や一級建築士などの他の国家資格も、同様に「記章をつくる」のが一つの解決策かもしれません。

ただ、いちいち「記章を作成する」のも大変なので、一度は国家がしっかり管理すべきでしょう。

一級建築士の受験資格:偽造が多数あると思われる「実務経験」

工事現場(新地球紀行)

一級建築士の試験のタイミングや実務要件は、ここ20年で大分変わりました。

今では「学生時代に受験できる」一級建築士ですが、2019年までは「実務要件が必要」でした。

つまり、「社会人にならないと受験できない」のが一級建築士の試験だったのです。

しかも結構難関なので、「仕事しながら試験を受ける」のがなかなか大変だった一級建築士。

「学生時代に受験できる」制度に変わったことは大変良いことです。

一級建築士受験の実務経験は、大学院での学び・専門教育でも代替できます。

僕が一級建築士を受験した頃は、「大学院・修正過程に在籍」していればOKでした。

今では「実務経験に相当する」科目が決められています。

「大学院でも実務でも良い」のは合理的ですが、非常に「曖昧な要件」です。

僕が受験した時は、大学院の修了証書のコピーを同封しました。

一方で、実務経験は「ある会社に在籍していたことが証明されれば良い」です。

大学院であれば組織がしっかりしているので「大学院の修了証書」の偽造は、雛形を持っている必要があるので困難です。

ところが、「実務経験」は「ある会社に勤めていたことにする」で偽造できます。

具体的には「ある会社の代表者・部長等がサイン・押印すればOK」となります。

この会社に在籍していたことにして欲しい
ので、ここにサイン・押印いただけますか?

と誰かが依頼し、その際「金品等のやりとりがあるかないか」は別として、

ああいいですよ。
ここにすればいいんですね。

と、「本当は在籍していなくても、知り合いの建設会社に依頼して部長等にサインしてもらう」で偽造完了です。

2005年の耐震偽装事件までは、「名義貸し」が当然のように行われていた建築界。

僕も「名義貸しを依頼された」ことが数回あります。

あなたに迷惑を描けないから、
免許を貸して欲しい・・・

といとも気安く依頼してくる方が多かったのです。

「国家資格を貸与する」ことは論外だと思っていた僕は、

国家資格なので、
貸せません!

と断ると、

なぜ、
貸せないの?

と、逆に問い質されることがあったほどです。

一体、
なんなんだ?

と感じたものです。

国家資格の重要性:受験資格の全数調査の必要性

工事現場(新地球紀行)

高々18年前まで「名義貸しが横行していた」一級建築士の免許。

すると、少なくともその頃までは「受験資格・実務経験の偽造」も「相応にあった」と考えるのが自然です。

医師などと同様に一級建築士の名前も国家が責任持って把握するべきであり、受験資格の再確認も必要でしょう。

「医学部卒業」が受験資格だった「医師国家試験」は、この点は問題なさそうです。

一方で「実務要件や受験資格」において、ある程度の偽造がありそうな一級建築士。

国家が一度、

現在、一級建築士の方は、
受験資格を再申告してください。

とアナウンスして、確認すべきでしょう。

耐震偽装事件以降、3年ごとに定期講習を受けて、簡単な筆記試験を受けて「合格」する必要があります。

「丸一日の定期講習」をするくらいなら、一度「受験資格の確認」をすべきでしょう。

僕は大学院
出ました。

と申告する方も大勢いるので、大学院も調査に協力すべきです。

実務経験が受験資格だった方は、
再度、会社に証明書発行を求めてください。

と「実務経験」が受験資格だった方に求める。

ただし、「会社との折り合いが悪い」方もいるでしょうから、日本政府が、

会社は実務経験の証明を求められたら、
必ず応えること!

と明確にするべきです。

「会社がなくなった・倒産した」方は、

実務経験をしたことを示し、
自著の念書を提出してください。

ただし、念書に間違いがあったら、
即免許取り消しで、場合によっては逮捕します。

とするのが良いでしょう。

このような「受験資格に関する疑念」がある資格は、他にもあるかもしれません。

国家資格は「国家が責任持って個人に与える極めて重要な権限」という「当たり前の認識」を日本政府は持つべきです。

一級建築士の受験資格の全数調査は、その大事なステップでしょう。

新地球紀行

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