前回は「英国の未来 11〜歴史的新首相誕生〜」の話でした。

Emmanuel Macron仏大統領、Leo Varadkarアイルランド首相(Wikipedia)
スナク首相の画期的成果
英国のスナク首相が画期的成果を上げました。
英国とEUが「北アイルランド物流規則」に関して、合意しました。
「決定的な突破口を開いた」と話すスナク首相。
ブレグジット以来、「EU残留側:北アイルランド」と「EU離脱側:英国」の国境は大きな物量問題を抱えていました。
英国と北アイルランドの歴史的・政治的問題も関係し、解決は非常に難しい状況でした。
ジョンソン元首相も非常に苦労し、なかなか進行しなかったこの問題。
「英国の物量問題」の一部に過ぎないとも言えますが、英国とEU・欧州の関係を考えるとき、極めて意義が大きいです。

「EUが大幅譲歩した」という情報もありますが、EU・英国共に綿密な協議を続け、「合理的譲歩」に至ったようです。
英国の領土

100年ほど前には世界中に領土を持っていた大英帝国。
その後、第二次世界大戦において、ドイツの猛攻を受け「米ソ二強体制」となりました。
さらに、その後の世界各国の独立の機運から多くの国が英国から独立しました。

対ドイツ戦を勝ち抜き、「欧州全土を守った」とも言えるチャーチル首相としては、歯がゆかったでしょう。
そして、現在はグレートブリテン島や海外に領土を持つ英国。

日本と同じ島国の英国。
イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドを合わせた面積は、約242,495km2です。
日本の面積である377,975km2よりもだいぶ小さくなり、64%ほどです。
ところが、海外領土も合わせると英国の面積は格段に上がり、約1,986,120km2となります。
この規模はメキシコやサウジアラビアと同程度となり、非常に広大な面積を有する英国。

英国と欧州の提携
実は現在も世界中に広大な領土を有する英国。
やはり足元のグレートブリテン島の人・モノの流れは極めて重要です。
ウクライナ戦争で「欧州の結束」が、かつてないほど望まれているタイミングに歴史的合意に至りました。
堅調な英国・欧州株価は、さらに徐々に上昇してゆくと考えます。
そして、英国・欧州双方にとって、物流のみならず金融・安全保障・科学技術などの提携が進みそうです。
昨年は混乱状態にあった英国。
スナク首相の元、英国は堅調に政治的・経済的に成長し、安全保障・科学技術面でも躍進してゆくと考えます。