前回は「攻勢強めるロシア 3」の話でした。
欧州・米国から、かなり強い経済制裁を受けているロシア。
「ロシアは経済的に保たない」と思われていました。
しかし、それほどダメージを受けていないようにも思えます。
「財政的にもウクライナ侵攻を続けられないのでは」という思惑とも裏腹に、攻勢を強めています。
大きな理由は、原油の急騰です。
原油・天然ガスの急騰により、ロシアは経済的にむしろ好転している状況です。

更に、石油・ガスの購入を引き下げようとしている欧州に対して、中国などが買い続けています。
上昇傾向にあった原油の価格は、ロシアのウクライナ侵攻後に、30%ほど上昇しています。
プーチン大統領が、この原油高による経済力も見込んでいたとしたら、凄まじい洞察力です。
政策金利を急に引き上げた米国。
「経済安定化」を見据えての長期戦略ですが、短期的には景気後退が見込まれます。
JP

米経済、40%の確率で来年リセッション入り=BofA証券
– 米金融大手バンク・オブ・アメリカ(BofA)証券は17日、インフレが高止まりする中、2023年に米経済がリセッション(景気後退)に陥る確率は約40%との見方を…
米国・欧州も、かなりの打撃を受けている状況です。
その中、フランスのマクロン大統領ら欧州四種脳がウクライナを、訪問しました。
BBCニュース


EUの4首脳がウクライナ訪問 EU加盟候補国認定を支持 – BBCニュース
フランス、ドイツ、イタリア、ルーマニアの各首脳は16日、ウクライナの首都キーウでゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナの欧州連合(EU)加盟の意向を支持した。

「今すぐにでもウクライナのEU加盟を認めたい」という強いメッセージを発しました。
英国内の混乱が続く、ジョンソン英首相。

二度目のウクライナ訪問を行い、英国からの軍事訓練プログラム提供を申し出ました。
JP

英首相、侵攻後2度目のキーウ訪問 軍事訓練提供を申し出
[キーウ(キエフ) 17日 ロイター」 – 英国のジョンソン首相は17日、ウクライナを電撃訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。同首相のウクライナ訪問はロシアの侵…
広大な領土を有する、大国ロシアの底力を見せつけられた形となった、欧州・米国。
まもなく、ウクライナ侵攻開始後、4ヶ月になります。
当初は、「一度は、まず休戦を」と考えられ、各国首脳が懸命に努力しましたが、その気配がありません。
原油高によって、経済力を増強するロシアと、さらに制裁強めようとする欧州。
そして、原油・天然ガスなどのロシア産エネルギーからの脱却を推進するも、困難な欧州。
欧州首脳は、非常に難しい舵取りを求められています。