前回は「日本という国家の色」の話でした。
ロシアとの停戦交渉について、ゼレンスキー大統領は「ウクライナ中立化の用意がある」と一歩も二歩も踏み込んだ発言をしました。

プーチン露大統領の「ウクライナNATO不参加」も意識した発言です。

ロシア軍から猛烈な攻撃を受けたマウリポリでは「約5000人が死亡し、建物の90%が損傷、約40%が破壊」という大変な状況です。
キーウ、ハルキウなどではウクライナ軍が頑強な抵抗を続けています。
しかし、ウクライナのロシアとの国境地域はジワジワとロシア軍に占領され続けています。

経済封鎖を続けられ、苦しいロシアは「まずはウクライナのNATO加盟を諦めさせる」方針でしたが、それはウクライナ側が「要求を受け入れる」姿勢になりました。
ここで、プーチン露大統領が「どう考えているか」が世界中が注目しています。

一歩も二歩も踏み込んだゼレンスキー大統領は「中立化は受け入れるが、クリミア半島のロシア主権等は一切受け入れられない」姿勢です。
ロシアの要求を一部受け入れるものの、要求を受け入れ始めると「あれもこれも受け入れよ」となるのが交渉です。
それを「避けなければならない」と考えるゼレンスキー大統領。
「英独に更なる圧力継続」を要請しました。
ロシア急先鋒の英国ですが、経済封鎖を続ける英国も打撃を被っています。
そこで、「制裁を弱めないで下さい。」と要求したのです。
リズ・トラス外相は「プーチン大統領の勝利は絶対許さない」と言明し、英国の立場を鮮明にしています。

立場を鮮明にし続ける英国・フランス・ドイツなどの欧州の国々・米国・カナダなどと比較して「今ひとつ鮮明でない」日本。
いまだに「ロシアとの経済的つながり」を守っている状況です。

目先のことや「日本国内の政治関係」でロシアと中途半端な関係を続ける日本。
トルコのように間に入って「積極的に和平交渉の仲介役」となれるわけでも、なる意思があるわけでもない日本。
日本のスタンスを、欧米はじっと見ているのです。
「規則だから」「前例がないから」ばかりの日本に対して、「前例がないこと」を積極的に解決しようとする世界。
「規則・ルール優先」思考を改めなければ、世界における立場はどんどん悪化してゆくばかりです。
「日本らしい玉虫色の考え」や「規則・ルール優先」は、岸田総理が率先して「やめる!」とハッキリすべきと思います。