前回は「英国の信念」の話でした。

欧州・米国が経済封鎖を強める中、プーチン露大統領は全く強気姿勢を崩しません。
ロシア軍は着実にウクライナで進軍を続けています。
BBCが発表した、米戦争研究所によるロシア軍の制圧地域は、北から南からロシア軍が侵攻を継続しているのが分かります。


これ以上戦争が発展することを避けたい米国は、人道回廊上の飛行禁止区域設定に慎重な姿勢です。

これは確かに「合理的発想」であります。
あまりにロシアを追い詰めすぎると、「プーチン大統領が何をするか分からない」と米国は考えています。
その中、ウクライナ市民の被害は広がる一方です。

プーチン大統領の「高すぎる要求」により、交渉は進展しません。
ウクライナ・ポーランド・フィンランドなどの諸国は、特に19世紀以降も国境が様々変わり続けています。
そして、ウクライナやバルト三国はかつては「ソビエト連邦の一部」であったのも確かな事実です。
その意味では、プーチン露大統領の「ウクライナのNATO加盟は認めれない」とする主張も、ロシア側の意思としてはある程度の合理性を持ちます。
しかし、この「一方的に戦争を仕掛けた」事実は、欧州・米国として認めることは絶対にできません。

最も強硬姿勢とも言えるボリス・ジョンソン英首相率いる英国の主張が、自由主義国にとっては「最も頼もしい」です。
しかし、お互い「絶対に譲れない」事柄が衝突しており、沈静化の方向が全く見えません。
昨年までロシア寄りだったドイツは、明確に英国・フランスと共同歩調を取っているのが、頼みの綱です。
英独仏が一丸となってロシアと立ち向かい、米国が間をとりなして、なんとか事を鎮静化させて行くほかに手段がないと考えます。
地獄の中にいるようなウクライナ市民のためにも、一刻も早い停戦が望まれます。