前回は「ロシアとアジア 1〜強力な米国の軍事支援とロシア・堅調なロシア経済・原油・天然ガスの高騰・「アジアに進出し続けること」を目論んできた国・ロシア〜」の話でした。
厳しいロシアの軍事状況

ウクライナで想定外の反撃を受けて、後退しているロシア。

プーチン大統領は、強気の姿勢を崩しませんが、ロシアの軍事的状況は厳しいです。

ウクライナ東部では、大きな領土をウクライナ軍が奪還しました。

現在、ロシアが「ウクライナの20%ほどの土地を押さえている」と見られています。
上海協力機構とロシア:インドのスタンス

プーチン大統領と直接会談したモディ首相は、

今は
戦争の時ではない!
とハッキリ伝えました。
「インドと中国はロシア側」と考えているプーチン大統領にとっては、「意外な反応」です。
1996年に、その前身の「上海ファイブ」が設立された現在の上海協力機構(SCO)。


着実に加盟国、オブザーバー国を加えて行き、「アジア同盟」の様相を呈してきています。
西側との付き合いもあり、かつては英国領だったインド。
強い経済力を持ち、「ロシアとも西側とも対話できる」インド。
このインドの存在感が、ますます強まってゆきそうです。
揺れる「アジアの国」としての日本の国家戦略


かつては「アジアの盟主」を目指し、「大東亜共栄圏」構築を目指した日本。
日本の立ち位置は「場所はアジアにあるが、思想は西側」で、主体性が高いとは言えない状況です。


ワルシャワ条約機構がソ連解体と共に消滅し、現在は上海協力機構を「同盟国」と頼るロシア。
昭和末期のバブル経済までは、「アジアの盟主を目指し続けていた」とも言える日本。
中国・韓国などとの関係を中心に据えるのが「当然の指針」となりますが、難しい状況です。
そもそも、中国・韓国とは「隣国でありながら、全く主義が異なる」国です。
いわば「全く異質な国」との協力関係構築を求められている日本。
現実的には、「中国・韓国との発展的協力関係」は難しいのが実情です。
その中、日本は「アジアの国」として各国と主体的関係を築くことが求められます。
その「各国」には、当然ロシアも含まれるでしょう。