緊迫する欧州と欧米諸国の狙い〜猛烈なドイツの勢い・欧州に範を求めた日本の陸海軍・親ドイツの陸軍と反ドイツの海軍〜|リメンバー・パール・ハーバー18・真珠湾奇襲攻撃

前回は「猛反撃を受ける「山本第一航空艦隊司令長官」案〜人事権握る及川大臣の猛烈な反対姿勢・メンツの勝負・断念する山本五十六・「前線司令長官」に過ぎない連合艦隊司令長官〜」の話でした。

目次

緊迫する欧州と欧米諸国の狙い:猛烈なドイツの勢い

左上から時計回りに Adolf Hitler独総統、Winston Churchill英首相、Franklin Roosebelt米大統領、東條英機首相(Wikipedia)

日本で「対米戦争」の準備が着々進められる中、米国の目は欧州を向いていました。

当時の欧州は、ドイツ率いる枢軸軍が猛烈なパワーで暴れ回っている状況でした。

1941年ヨーロッパ戦況地図(連合艦隊 勃興編上巻 世界文化社)

欧州大陸が、「ほとんどドイツ及び枢軸国の領域」となっていました。

フランスすらドイツに降伏してしまい、ヒトラーの勢いは止まるところを知りません。

Adolf Hitler独総統(Wikipedia)

Europeを
我が手に!

我がゲルマン民族こそが
世界を制覇するのだ!

猛烈な勢いのドイツ軍。

あまりに勢いがあり過ぎて、ドイツによる「ヨーロッパ全土の征服」が現実味を帯びてきました。

欧州に範を求めた日本の陸海軍:陸軍はドイツ・海軍は英国

左上から時計回りに、山本五十六 連合艦隊司令長官、永野修身 軍令部総長、伊藤整一 軍令次長、山口多聞 第二航空戦隊司令官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社、Wikipedia)

日本の山本長官・永野軍令部総長が「真珠湾奇襲攻撃」で揉めていたのは、1941年10月頃です。

少し時計の針を昔に戻して、「そもそもの日本の戦略」を考えます。

1939年9月、ドイツ軍のポーランド侵攻に始まった第二次世界大戦。

戦車・爆撃機を中心とするドイツの電撃戦により、ドイツ軍は破竹の勢いで占領地を拡大しました。

そして、1940年6月には、ドイツがフランスを降伏に追い込みます。

これは、欧州全土を
ドイツが席巻するのでは!

こういう観測が日本において、陸軍中心に広がります。

もともと、明治維新期に

欧州を
見習え!

で始まった日本の陸海軍。

陸軍はドイツに、海軍は英国に「範を求めて」両軍隊が発足したのです。

親ドイツの陸軍と反ドイツの海軍

東條英機 陸相(Wikipedia)

「ドイツ発祥」とも言える日本陸軍は、歴史的に極めて親ドイツです。

ドイツと
同盟を結ぼう!

そうすれば、
日本は米英と戦える!

このような声が、陸軍軍部から上がってきます。

東條英機陸相もまた、

ドイツと軍事同盟を結ぶことは、
我が国の国益となる!

山本五十六 海軍次官(Wikipedia)

ドイツと同盟を結んだら、
米英と戦争になってしまう。

米国には絶対に
勝てん!

近衛 文麿 内閣総理大臣(Wikipedia)

1940年に総理に就任した近衛文麿。

名前からして「サラブレッド」な近衛文麿は、二回目の総理就任です。

昭和天皇(Wikipedia)

近衛よ・・・
我が日本の現状を打開せよ!

はっ!
お任せください!

実行力が伴わない「評論家的人物」の声も高い近衛文麿。

実際には、日本の「ザ・貴人」とも言えるサラブレッドの出身であった近衛は、相応の胆力と決断力を持っていました。

なんとか
しなければ!

そして、昭和天皇の下命を受け、事態打開に動きます。

新地球紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次