リメンバー・パール・ハーバー 18〜緊迫する欧州〜

前回は「リメンバー・パール・ハーバー 17〜断念する山本五十六〜」の話でした。

Winston Churchill英国首相(Wikipedia)

日本で「対米戦争」の準備が着々進められる中、米国の目は欧州を向いていました。

当時の欧州は、ドイツ率いる枢軸軍が猛烈なパワーで暴れ回っている状況でした。

1941年ヨーロッパ戦況地図(連合艦隊 勃興編上巻 世界文化社)

欧州大陸が、「ほとんどドイツ及び枢軸国の領域」となっていました。

フランスすらドイツに降伏してしまい、ヒトラーの勢いは止まるところを知りません。

Adolf Hitler独総統(Wikipedia)

日本の山本長官・永野軍令部総長が「真珠湾奇襲攻撃」で揉めていたのは、1941年10月頃です。

少し、時計の針を昔に戻して、「そもそもの日本の戦略」を考えます。

1939年9月、ドイツ軍のポーランド侵攻に始まった第二次世界大戦。

戦車・爆撃機を中心とするドイツの電撃戦により、ドイツ軍は破竹の勢いで占領地を拡大します。

そして、1940年6月には、ドイツがフランスを降伏に追い込みます。

これは、欧州全土を
ドイツが席巻するのでは!

こういう観測が日本において、陸軍中心に広がります。

もともと、明治維新期に「欧州を見習え」で始まった日本軍。

陸軍はドイツに、海軍は英国に「範を求めて」両軍隊が発足したのです。

「ドイツ発祥」とも言える日本陸軍は、歴史的に極めて親ドイツです。

東條英機 陸相(Wikipedia)

ドイツと同盟を結ぼう!

そうすれば、
日本は米英と戦える!

このような声が、陸軍軍部から上がってきます。

山本五十六 海軍次官(Wikipedia)

ドイツと同盟を結んだら、
米英と戦争になってしまう。

米国には勝てん!

近衛 文麿 内閣総理大臣(Wikipedia)

1940年に総理に就任した近衛文麿。

名前からして「サラブレッド」な近衛文麿は、二回目の総理就任です。

昭和天皇(Wikipedia)

そして、昭和天皇の下命を受け、事態打開に動きます。

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