前回は「リメンバー・パール・ハーバー 1〜日本海軍の動きと日本の宣戦布告が遅れた真相〜」の話でした。
連合艦隊司令長官となった山本五十六。

米国に勝つのは、
非常に難しい。
国力が違いすぎる。



勝つためには、緒戦で米軍に大打撃を与え、
米国民を意気消沈させるしかない
米国への奇襲攻撃を考えます。
その奇襲攻撃の標的は日本にとって米海軍最前線基地であり、大型の基地であったハワイでした。


山本がいつ頃からハワイ奇襲攻撃を考えていたのかは不明です。
日独伊三国軍事同盟締結直前に連合艦隊司令長官となり、その頃から日米開戦を念頭に、考えていたに違いないでしょう。
この「緒戦で米国に大打撃を与えれば、米国民が意気消沈」と山本が考えた点には、僕は大いなる疑問を感じます。
実際に米国へ行ってみて、米国の国・国民たちをみてみれば、「最初におもっきりぶん殴ったら意気消沈する国民」とは到底思えない。
むしろ、猛然と反撃してくるイメージです。


米国駐在を経て、米国民をよく知っているはずの山本五十六ですが、なぜこのようなことを考えたのでしょうか。
僕には不思議でならない。
いずれにしても山本長官は本気で考え、真珠湾奇襲攻撃を強烈に推進します。



米国海軍に緒戦で壊滅的ダメージを与え、
米国政府及び米国民を、意気消沈させる!



そして、日本に早期講和を
打診してくる状況をつくり出す!
しかし、ハワイ真珠湾奇襲攻撃は「危険すぎる」として軍令部から猛反対を受けます。
連合艦隊への作戦指導権を握る、永野修身 軍令部総長。





それは無理だろう。
危険すぎる。
実施部隊を率いる予定の第一航空艦隊司令長官 南雲忠一もまた反対していました。


そもそも、米太平洋艦隊の総本部のハワイへ近づくことすら容易ではないのです。
そこに「悟られないように大部隊で近づいて、奇襲攻撃をしろ」と。
南雲機動部隊の第一航空艦隊参謀長 草鹿龍之介もまた猛反発します。





そんなこと無茶なこと、出来るわけないだろう!
山本長官は一体何を考えているんだ。
軍令部の事実上の最高意思決定者である、伊藤整一次長も反対です。
そして、軍令部が揃って反対の意を唱えます。
山本長官は博打が好きだから、
こんな投機的なことを考えるのだ。
日本海軍の虎の子の空母を全部ハワイに行かせて、
やられてしまったらどうするんだ?
軍令部は、どうあっても賛成しません。
山本長官は「軍令部にハワイ奇襲攻撃を認可してもらう」ために、必死に考えます。