前回は「自分の国の母国語・日本語〜難解な日本語・英語ペラペラの米国人と日本語ペラペラの日本人・四カ国語話すのが普通のスイス人・外国語が苦手な日本人〜」の話でした。
世界で多く話されている言語と日本語
母国語である日本語に、適切な誇りを持つことは非常に大事です。
今回は、外国語に対する考え方の話です。
日本で外国語というと、まずは世界共通語である英語が挙がり、次いでフランス語やスペイン語でしょう。
順位 | 言語 | 人数 |
1 | 英語 | 15億3100万人 |
2 | 中国語 | 14億7700万人 |
3 | スペイン語 | 5億1600万人 |
4 | アラビア語 | 4億4700万人 |
5 | フランス語 | 4億3100万人 |
6 | ヒンディー語 | 4億2000万人 |
7 | インドネシア語・マレー語 | 3億600万人 |
8 | ポルトガル語 | 2億9100万人 |
9 | ベンガル語 | 2億2000万人 |
10 | ロシア語 | 1億4600万人 |
11 | 日本語 | 1億2600万人 |
80億程度の世界人口のうち、どの言語がどのくらいの方に話されているのかをまとめた表が上です。
ベスト10を提示する予定でしたが、日本語が11位なので、「ベスト11」としました。
日本語を話すのは、ほぼ日本人に限定されていて、日本の人口とほぼ同一です。
英語に続いては、こちらも「ほぼ自国人が話す」言語である中国語が2位に入ります。
人口の差がそのまま「話す人間の数」に反映され、「中国語を話す人数」は日本の人数の10倍以上です。
1990年台までの「強かった日本」の時代はともかく、現代ではよほど、
私は日本が
大好きなの!
という方でない限りは、難解な日本語を学ぶ方は少ない状況です。
「Xi Jinping」国家主席と「しゅうきんぺい」国家主席
今回は、お隣の国の中国語の話です。
2000年頃から中国が猛烈に台頭し出し、2010年頃からは世界における影響力が非常に強くなりました。
その頃から、海外のウェブサイトで英語に次いで、中国語表記が選べることが多くなり、今では一般的です。
対して、日本語表記が選べるサイトは非常に限られます。
「一帯一路」などの政策を打ち出してきた中国。
ロシアのウクライナ侵攻により、世界の地政学が大きく変わり、状況は一変しました。
日本でも中国の報道は頻繁にされます。
中国の首脳などの方々を呼ぶとき、
中国の
習近平(しゅうきんぺい)国家主席は・・・
と、習近平国家主席を「しゅうきんぺい」国家主席と呼びます。
これには、僕は大きな違和感を感じます。
習近平は、中国語でXi Jinping(シージンピン)と呼ぶので、「シージンピン国家主席」と呼ぶべきではないでしょうか。
中国の方と英語で話した時、
I think that
Shukin-pei(しゅうきんぺい) should・・・・
と話しても、中国の方は、
Shukin-peiって
誰?
恐らくは、分からないでしょう。
話しているうちに、
ああ、どうやら
こういうことかな・・・
この日本人が言っているのは、
我が国家主席であるXi Jinpingのことかな?
と分かるのかもしれません。
ある国の方はその国の言葉で呼ぶことが、「文化と言葉に敬意を表する」ことになるのではないでしょうか。
なぜ勝手に、我が国家主席を
「日本語の音」で呼ぶんだろう・・・
相手の文化と言葉に敬意を持つこと
例えば、日本の山田さんが中国を訪れた時、「山田」を中国語読みされて呼ばれたら、不愉快ではないでしょうか。
シャン
ティアンさん!
はっ?誰?
私のこと?
向こうが「山田さん」と呼んだつもりでも、分からないでしょう。
誰だって、
私は、
ヤマダなんだけど・・・
「シャンティアン」とか
呼ばれたら、違う人の気がする・・・
と思うでしょう。
やはり、習近平国家主席は「「シージンピン国家主席」と、李克強首相は「リークーチアン首相」です。
日常会話で、
中国の習近平(しゅうきんぺい)が
どうやら・・・
習近平(しゅうきんぺい)の
考えていることはこうじゃないか・・・
と話すのは自由かもしれません。
一方で、少なくとも公的報道機関であるテレビなどでは、「Xi Jinping国家主席」と呼ぶべきだと思います。
それが、また中国語に敬意を払い、中国の文化をきちんと理解する第一歩でしょう。