幕末のアジアにおける日本の立場〜英東洋艦隊出撃・大英帝国との戦争準備進める薩摩・世に出る島津久光の側近・大久保一蔵・島流しの西郷と精忠組〜|日英の未来と友好15・国際関係・戦略的外交

前回は「曖昧な日本の外務大臣の存在〜外国奉行の立場・何でも「合議制」の日本・弱気な老中たち・Tokugawaと全く異なるSatsuma・要求突っぱねた久光〜」の話でした。

目次

幕末のアジアにおける日本の立場:英東洋艦隊出撃

Frederick Wright Bruce清国駐在英公使(Wikipedia)

当時の欧米にとって、日本は極東にある「遠い存在」でした。

Japanって
どこ?

Far Eastにある
Samuraiの国らしい・・・

国土も広く、人口が多く、当時GDP世界一だった清国(中国)。

Chinaの
向こうってことか・・・

まあ人口もGDPもChinaの方が
断然上だから、Japanは大きな興味はないな・・・

欧米にとっては、何よりもまずは清国との付き合い・外交が最優先だったのです。

そのため、本国と相談しながら、アジア地域の総本部のような存在だった清国英国公使館。

当時のFrederick Wright Bruce清国北京駐在英公使に、ニールは相談します。

John Neal駐日代理公使(Wikipedia)

日本政府のTokugawaは、
すぐに賠償金を払いました。

しかし、共和国の一つで、当事者の
Satsumaは、ゼロ回答でした。

事件で亡くなった
Richardsonなら、知っている。

不憫なやつだが、
相手国の風習を尊重することは大事だ。

このまま、Satsumaに対して
引き下がるわけには・・・

うむ。
Satsumaに我が東洋艦隊を向けよう。

勿論、圧力だけではなく、
戦争の準備をしてだ。

了解しました。

こうして、薩摩と大英帝国は「戦争間近」の状況へ突入しました。

大英帝国との戦争準備進める薩摩

大英帝国 外交官 Ernest Satow(Wikipedia)

Satsumaには、再度
犯人引き渡しと賠償金を求めます。

うむ。

わが東洋艦隊が向かうことを
Satsumaに伝えよ!

Far Eastの国Japanの
一公国であるSatsumaに身の程わきまえさせよ!

ははっ。

薩摩国父 島津久光(国立国会図書館)

エゲレス(大英帝国)から艦隊が
我が薩摩に向かっているだと・・・

ははっ。
隣の清国は、大敗北しました。

我が薩摩とはいえ、
戦うと・・・

我が薩摩が負ける、
とでも言うのか?

その可能性も
あります・・・

とにかく、鹿児島城下で
防備を固めろ!

ははっ!

一蔵!

ここで登場するのが、当時島津久光の側近であった大久保一蔵。

後の参議・内務卿となった大久保利通です。

世に出る島津久光の側近・大久保一蔵:島流しの西郷と精忠組

大久保 一蔵(利通)(Wikipedia)

ははっ!

後に明治維新の元勲となった大久保一蔵。

新政府で、事実上の首相として強権を振るった大久保利通 内務卿。

当時は、大久保一蔵と名乗り、薩摩国父 島津久光の側近の一人でした。

とにかく、
我が薩摩防備を固めよ!

砲台へ
行ってまいります!

薩摩藩士 西郷 隆盛(国立国会図書館)

後に薩摩藩をまとめて、明治維新の原動力となる西郷隆盛。

当時、西郷は事実上の藩主である島津久光の怒りを買い、島流しとなり沖永良部島にいました。

砲台は、
戦争に備え、防備を固めよ!

本当に戦争になるかも
しれぬ・・・

吉之助さあが、
いてくれたら・・・

当時、薩摩の若手武士の最有力グループの一つであった精忠組の幹部である大久保。

同じ精忠組であり、小さい頃から兄弟のように過ごした西郷がいない今、大久保の活躍の場が広がります。

まずは、一蔵に
任せておけば良い・・・

下級藩士の出身ながら、「使えすぎる男」であった大久保一蔵。

島津久光は、大久保の優れすぎた能力と実行力を大いに買っていたのでした。

英東洋艦隊 旗艦 ユーライアス号(Wikipedia)

5隻ほどの
英艦隊が、薩摩に向かっています!

うむう・・・

当時、科学力では、佐賀藩に並び日本最先端の一つであった薩摩藩。

対して、薩摩は艦隊は一隻もなく、蒸気船しかありません。

薩摩藩士 五代友厚(Wikipedia)

我が方の
五代友厚乗る蒸気船が捕獲されました!

五代が「英国に捕獲された」のは、「意図的だった」という説もあります。

いずれにしても、薩摩にとっては状況は非常に緊迫してきました。

新地球紀行

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