欧州の常識と日本の常識の巨大なズレ〜危険すぎる長州藩の志士たち・高杉晋作・久坂玄瑞・吉田松陰・下関戦争・米英仏蘭の四カ国艦隊出撃・攘夷の代償・長州大敗北・奇兵隊誕生〜|日英の未来と友好5・国際関係・戦略的外交

前回は「強力な英国外交と幼い日本外交〜薩英戦争賠償金・幕府から「借りた」薩摩・薩摩と大英帝国の交錯する思惑・「精神異常者の集団」が跳梁跋扈していた日本〜」の話でした。

目次

欧州の常識と日本の常識の巨大なズレ

左上から時計回りに、岸田文雄首相、Joe Biden米大統領、Olaf Scholz独首相、Rishi Sunak英首相(Wikipedia)

戦後、「良いところ」があまりない日本外交。

そもそも、世界の外交界から日本の外交が「爪弾きにされている」感じすらあります。

1945年の敗戦後、ドイツと共に「敗戦国」と国際連合:United Nationsに明記されている日本。

そもそも、日本語で「国際連合」と訳されるUnited Nationsは、第二次世界大戦の連合軍”the Allies”の別名です。

左上から時計回りに Adolf Hitler独総統、Winston Churchill英首相、Franklin Roosebelt米大統領、東條英機首相(Wikipedia)

日独の敗色が濃厚となり、まもなくドイツが降伏する1945年4月25日から、6月26日のこと。

米英ソ中が集まって開催された、この「サンフランシスコ会議」で連合国会議が開かれたのがキッカケです。

「日本が降伏する4ヶ月前」に、現在の国際連合の原型が誕生していました。

この意味においても、日本語の「国際連合」という「国際」を関する訳が適切かどうか、は議論があるでしょう。

そして「敗戦国」である遠慮からか、日本は「世界の外交において、あまり積極的な発信をしない」存在になりました。

これは、ドイツとは対照的です。

日本とは別に、ガンガン積極的に外交をしているドイツ。

とは言っても、欧州の経済の中心はドイツであっても、外交の中心は英仏なのでしょう。

国際連合に対する姿勢からして、特に世界外交において「欧州の常識」と「日本の常識」に大きなズレがあり続けています。

危険すぎる長州藩の志士たち:高杉晋作・久坂玄瑞・吉田松陰

長州藩の過激分子の「親玉」である高杉晋作が、大英帝国の公使館焼き討ちに出ました。

はっは〜
全部焼いてしまえ!

長州藩士 久坂玄瑞(Wikipedia)

さらに、もう一人の過激分子の「親玉」である久坂玄瑞。

攘夷だ!

吉田松陰の松下村塾では、「久坂玄瑞と高杉晋作が双璧」と呼ばれました。

吉田松陰(Wikipedia)

そもそも「学者先生」と考えられがちな吉田松陰ですが、久坂・高杉よりも遥かに過激な存在でした。

とにかく
実行あるのみ!

この4年前の1859年に「安政の大獄」で、斬首された吉田松陰。

吉田松陰に愛され、吉田の妹を妻にした久坂玄瑞は、

私が吉田先生の
遺志を継ぎ、夷狄を蹴散らしてみせる!

撃て撃て!
夷狄の船を沈めろ!

そして、1863年に、本当に海外の艦船の一方的砲撃に踏み切った長州藩。

我が長州藩が、
神国・日本を守るのだ!

下関戦争:米英仏蘭の四カ国艦隊出撃

Sir Rutherford Alcock英国公使(Wilipedia)

不穏な動きを感じ取っていたのは、英国公使オールコックでした。

公使館焼き討ちだけでも、
十分クレイジーな集団だが・・・

そのChoshuの連中は、
我が艦船を攻撃するのか?

今の状況だと、
Kusakaたちはやりかねません・・・

しかし、そんなことをやるのは、
尋常ではないが・・・

彼ら、ChoshuのSamuraiは
すでに尋常ではありません・・・

まあ、そうだが・・・
警戒は必要だな・・・

これが本音だったでしょう。

この「大人の姿勢」の大英帝国に対して、

商船であろうと、
なんであろうと、夷狄を倒す!

と「本気で」考えている久坂たち。

撃て撃て!
夷狄の船を全て沈めてしまえ!

米仏の商船は大損害を受けました。

やつら、危険とは
思っていたが・・・

まさか、本気でやるとは、
思わなかった・・・

「本気で」一線を超えてしまった長州藩に対し、当然のことながら米仏は怒りに震え、反撃してきます。

そもそも国際法上も明確な違反で、「喧嘩を売られた」米仏は艦隊を派遣します。

国際法
違反だ!

やられたら、
やり返す!

英国・オランダとも組んで、米英仏蘭の四カ国艦隊で長州に攻め寄せてきました。

そして、馬関(下関)の砲台を攻撃します。

下関戦争:米英仏蘭四カ国艦隊の馬関砲台への攻撃(Wikipedia)

攘夷の代償・長州大敗北:奇兵隊誕生

下関戦争:米英仏蘭四カ国艦隊の馬関砲台への攻撃(Wikipedia)

威勢よく外国商船を攻撃したものの、米英仏蘭の四カ国艦隊が下関を攻め、

Choshuの連中は
一度痛い目に合わせねば!

大砲の性能が遥かに劣る長州藩の砲台は、ほとんど破壊されます。

この長州藩最大の危機に対し、幕末最大の風雲児・高杉晋作は「非常時の軍隊」を創設します。

高杉晋作(国立国会図書館)

兵が
全然足りない・・・

長州藩滅亡の
危機だ・・・

新たな軍を
作ろう!

「武士でなく、有志の軍隊」という、それまでの日本には存在しなかった軍隊でした。

従来の門閥制度にとらわれず、武士・百姓・町人の有志も参加した「特殊な軍隊」でした。

正規兵では
ないから・・・

名称には、
「奇」をつけよう。

誕生したのは、当時の日本にとっては、異色尽くめの軍隊でした。

その名は「奇兵隊」。

新地球紀行

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