前回は「欧州の未来 10〜欧州各国の方向性・Meloni伊新政権発足・Xi Jinping(習近平)国家主席・Sunak英新首相誕生へ〜」の話でした。
ショルツ独首相:中国訪問

ショルツ独首相が中国を訪問し、習近平中国国家主席と会談しました。

「ウクライナ戦争停戦」をロシアへ働きかけることを、求めたショルツ首相。
習近平国家主席の新体制となって、初めて訪問する欧州首脳となりました。
この会談は、欧州の他の首脳からは白眼視されています。
特に、マクロン仏大統領は「ドイツが中国へ近づくこと」に懸念を示しています。

欧州内の批判をかわす為に、中国訪問を「11時間のみ」にしたショルツ首相。
欧州・中国双方にバランスをとった外交展開を広げています。
米中間選挙とウクライナ支援

まもなく中間選挙を迎える米国。
共和党が、米下院の過半数を獲得する見込みが強くなってきました。
兼ねてから、膨大なウクライナへの支援に反対を表明することが多い共和党。
共和党過半数獲得の場合、ウクライナへの支援削減の方向になる可能性が高いです。

「他の国々の全ての合計額」の2倍以上の規模を誇る、米国の支援額。
この支援によって、ウクライナは、なんとか持ち堪えている事実があります。
特に、軍事支援額が非常に大きいことが分かります。
かつて、世界へ軍事支援は行えないものの、金額の支援は突出していた日本。
ノルウェー・イタリアよりも少ない金額の支援となり、その存在感は、ほとんどありません。
ドイツの動きと欧州

この中間選挙の結果次第では、バイデン大統領・政権のみならず、世界中の政治状況に大きな影響を与えそうです。
ウクライナ支援額で、米国の1/3以下であるものの、2位で突出した存在のEU機関(欧州委員会等)。
地球温暖化対策などで、主導的立場を続ける欧州。
その欧州の分断が続く場合、国連気候変動枠組などにも大きな影響が見込まれます。
中国に対する依存が大きく、自動車産業などの分野で中国との関係は非常に重要なドイツ。
そして、欧州で最も経済力・技術力が強いドイツの動きは、欧州の方針に大きな影響を持ちます。
世界政治の混乱が続く中、市場は様子見を続けることになり、経済・株価は調整が続きそうです。