欧州の未来 9〜欧州政治共同体〜

前回は「欧州の未来 8〜伊新首相と英国新政策〜」の話でした。

Emmanuel Macron仏大統領(Wikipedia)

マクロン大統領が主導する欧州政治共同体EPC。

プラハで初会合を開き、安全保障など協議しました。

EU加盟国27国に加え、他の欧州17国を加えた44カ国の巨大な組織です。

Vladimir Putin露大統領(Wikipedia)

ロシアに対抗する姿勢を鮮明に打ち出しており、巨大国家ロシアに「大きさで勝負」しようという構想です。

44カ国もの国家の意思を統一するのは、非常に難しいですが、共通する利害関係には強固な組織になりそうです。

安全保障とエネルギー問題で押される欧州。

エネルギー問題は「ロシア頼み」が裏目に出ましたが、安全保障は切り札が残っています。

「NATOの予防攻撃」に公式に言及し始めたゼレンスキー大統領。

Volodymyr Zelenskyウクライナ大統領(Wikipedia)

ウクライナ側の気持ちとしては、当然の事かもしれません。

第一次世界大戦、第二次世界大戦と欧州中心で行われた世界大戦。

それ以前も欧州各国は、頻繁に戦争を繰り返してきました。

比較的平和な江戸時代が250年以上続き、幕末までしばらく大きな戦争のなかった日本とは感覚がだいぶ違います。

Elizabeth Truss英首相(Wikipedia)

長らく覇権を競い合ってきた英国とフランス。

そこに強国となったドイツが入ってきて、戦果が一気に広がった経緯があります。

1941年ヨーロッパ・アジア支配圏(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

その歴史に対して、「欧州内では結束しよう」という強い意思を感じるEPC。

Joe Biden米大統領(Wikipedia)

米国の要望を拒否して、石油減産に踏み切ったOPEC。

軍事・科学技術・エネルギー等、ほぼ全ての分野で勢います米国が、益々強くなりそうです。

今週に大きく上げた米国株は、その後調整をしています。

米国の力と勢いを考えると、これから上昇してゆくと考えられる米国株。

Jerome Powell FRB議長(Wikipedia)

FRBも、ここまで米国株が下落するのは、多少想定外だったかもしれません。

荒れる米国株では、短期オプチョンが盛んになっています。

市場が大きく荒れることは、非常に市場心理が過敏になっているためと考えられます。

強気姿勢を堅持しているFRBが、「少し手綱を緩める」だけで、米株は大きく復調するでしょう。

「強いインフレ」に対するFRBなどの姿勢は読めず、本人たちも多少迷っていると考えられます。

欧州の結束と安定化が、世界経済安定化に結びつくことを願っています。

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