19世紀・幕末の欧米列強の動き〜ロシア帝国・大英帝国・フランス・米国から日本への接触・「先送り」の徳川幕府・1800年代の世界最高GDPを誇った国・超強力だった中国=清・「中国産の茶」大流行・金銀大量流出に慌てた英国政府〜|欧米とアジア1

前回は「幕末のアジアにおける日本の立場〜英東洋艦隊出撃・大英帝国との戦争準備進める薩摩・世に出る島津久光の側近・大久保一蔵・島流しの西郷と精忠組〜」の話でした。

目次

ロシア帝国・大英帝国・フランス・米国から日本への接触:「先送り」の徳川幕府

新地球紀行
左上からH.Parkes英国公使、Matthew Perry米提督、Townsend Harris駐日米大使、Leon Roches駐日フランス帝国公使(Wikipedia)

幕末にロシア・英国・フランス・米国など欧米列強から、日本は度々接触を受けます。

Hello!
Japanの皆さん!

我がUnited Statesと
条約結びましょう!

当時、日本政府は徳川幕府でした。

鎖国を国是として、「外国との接触は長崎・対馬等に限定」する政策を掲げていた幕府。

鎖国していたとは言え、事実上の同盟国であるオランダから海外情報を得ていました。

米国から
艦隊がJapanに向かっています・・・

なんと!
いつ頃、我が国に到着しそうですか?

来年1853年の
夏頃かと・・・

どうも、貴国(日本)と
条約や協定を結びたいようです・・・

そうか・・・
何か準備しておかねばならんのう・・・

幕府首脳は「米国が日本に来ること」と「そのおよその要望」を事前に掴んでいました。

そして、実際にペリーは1853年7月に浦賀にやってきました。

遠いところ、
United StatesからやってきたPerryです!

「太平洋を横断」と思いきや、逆ルートの大西洋から希望峰を回って、はるばる日本に来たペリー。

本当に
来たのう・・・

現在の日本政府同様、当時の幕府も「先送り主義」でした。

ちょっとよく分からないので、
また今度にしましょう・・・

じゃ、また来年来るので、
よくよく検討しておいて下さいね!

メリケン(米国)から我が国は
かなり遠いらしい・・・

だから、来年来るのは
大変だろうから、再来年以降か・・・

いや、再来年以降だろうから、
次の幕閣に任せよう・・・

と「甘い観測」をしていた幕府首脳。

「次の政権に」みたいな現在の日本政府の政権と「全く同じ無責任思考」でした。

ところが、翌年1854年、

Hello!
Japanの皆さん!また来ましたよ!

本当に
来たよ・・・

「先送り戦法」が事実上失敗した幕府首脳。

参ったな・・・

今度こそ
我がUnited Stateと条約を!

じゃないと、
江戸を砲撃しますよ!

いえ・・・
それは困ります・・・

では、
我がUnited Statesと条約結びましょう!

はあ・・・

そして成立したのが「日米和親条約」でした。

多くの国々にとって「極東の日本」は「遠い存在」でした。

その中、列強と呼ばれる欧米の国々は、アジアの国々を次々と侵略してゆきます。

当時、英国は大英帝国であり世界最強の国でした。

現代、世界最強の米国。

米国独立宣言(1776年)(Wikiepedia)

米国は当時は、まだ1776年に大英帝国から独立したばかりの「若き国家」でした。

1800年代の世界最高GDPを誇った国:超強力だった中国=清

Xi Jinping(習近平)国家主席(Wikipedia)

1800年代、GDPで世界最高の国は大英帝国かと考えてしまいますが、実は中国(清)でした。

現代、世界覇権を目論み、ITなどの科学技術やGDPで世界最強を狙う中国。

GDPは計算方法によっては、「すでに米国を抜いた」という統計もあります。

実は、そもそも「中国はかつて世界最大のGDPを有していた」国だったのです。

その意味では、Xi Jinping(習近平)国家主席が目指す

我がChinaが
GDPで米国を抜いて、世界最大になるのだ!

という狙いは「当然のこと」でもあるのです。

清国 (Qing Dynasty):最大版図1790年頃 Wikipedia)

そして、日本の幕末である1800年代の中国は満州・女真族による清朝でした。

そして、清国は大いに栄えていたのでした。

清国 (Qing Dynasty):1820年頃 Wikipedia)

幕末、ロシア帝国・大英帝国などの接触が盛んになってきた頃、清国は大きな領土を持っていました。

周辺にも事実上の「従属国」を多数従え、巨大国家であった清国。

「中国産の茶」大流行:金銀大量流出に慌てた英国政府

清8代皇帝:道光皇帝(Wikipedia)

当時、すでに莫大な人口と広大な領土を有していた中国(清)。

当時の皇帝は、清8代皇帝:道光皇帝でした。

莫大な経済力をもつ中国を、欧州各国は狙います。

そして、

Chinaに沢山の製品・商品を、
販売しよう!

と考え、大勢の商人が中国・清にやってきます。

ここで、大英帝国では想定外の事態が発生します。

大英帝国内で、中国産出の茶が大流行したのです。

とても
美味しいわ!

これは、美味い!
どんどん買おう。

Chinaの
茶をどんどん輸入するんだ!

大英帝国の貴族たちが大量の中国産・茶を購入し、大英帝国の金銀が中国に流れてしまいます。

これはこれで「大英帝国の幸福」に繋がっていたのですが、あまりに金銀が中国へ流れたため、

これは、
まずい!

手を
打とう!

大英帝国政府は大いに慌てました。

いくらなんでも、
Chinaに金銀が流れすぎている・・・

非常事態だから、
なんとしても食い止めるのだ!

ここで、ジェントルマンの国・大英帝国は信じられないような策を思いつき、実行します。

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