前回は「欧州の結束力 1」の話でした。
中国とロシア:原油の行方
欧州・米国の強力な経済封鎖にも関わらず、財政力は健全なロシア。
それは、原油・天然ガスの異常な高騰によりますが、やはり、中国が大量購入している事実が明らかになりました。
なんと、中国のロシア産原油輸入量が「前年比55%」と、凄まじい増加を見せたのでした。

中国当局の発表なので、どこまで真実かは不明ですが、まさに「ロシアを中国が支えている」ことが判明しました。

そして、おそらく、非常に高騰した原油・天然ガスを、ロシアは「市場より安値で」中国に渡していると思われます。
すると、中国にとっても大きなメリットがあり、まさにロシア・中国が「ウィン・ウィンの関係」となります。
欧州の苦境:仏総選挙

一方で、特に原油高の影響の直撃を受けている欧州。
ガソリン等が急騰し、高いインフレを記録、一般国民の生活は苦しくなっています。
その不満が向かった先は、必然的に政府になります。
フランス総選挙で、つい最近に大統領に当選したマクロン大統領の与党連合が大敗しました。
仏議会下院で過半数を失い、国内運営が非常に難しくなります。
今年は総選挙がないものの、英国ではジョンソン英首相の政権基盤が揺らいでいます。

欧州・米国の経済封鎖は、部品調達などで問題が多いものの、根本的な痛撃とはなっていないロシア。
むしろ、財政面においては、ウクライナ侵攻による「原油高騰継続」が望ましい状況です。
そして、決め手を欠く欧州。
ここで、米国は、さらに強力なインフラ投資を実施します。
「人手不足」に苦しむものの、「国を挙げて未来へ突き進む」姿勢を明確にしている米国。
ウクライナ侵攻は、「民主主義の観点から許し難い」ものの、軍事支援によって軍需産業も活発化する米国。

一時膨れ上がった株高が、一時的な調整にあり「リセッションの危機」とも言われている米国。
長期的に最も見通し・状況が良いのは、米国かもしれません。