欧州の結束力 1〜ロシアの経済力・ポーランドの支援〜|国際政治

前回は「ロシアの底力」の話でした。

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ロシアの経済力

原油・天然ガス等の急騰により、強烈な制裁を受けているにも関わらず、ロシアの経済力は健全です。

ところが、その健全性は、あくまで数字上のことです。

欧州・米国などの制裁により、西側からロシアへの部品供給等が、ほぼ全てストップしています。

そして、ロシアの国産車「ラーダ・グランタ」は、欧州からの部品に頼っていたため、機能不全です。

新型の「ラーダ・グランタ」は、GPSもエア・バッグも付いていません。

Vladimir Putin露大統領(Wikipedia)

これらの部品は、ロシアと友好関係にある、中国が部品供給すると考えられていました。

中国は、目下大変な危機の状況です。

中国政府の長期的戦略による「経済特区」によって、異常な経済発展を遂げた深圳市。

「アジアのシリコンバレー」と言われ、「奇跡の都市」と言われた「未来都市」とも言える深圳市。

中国は各都市で、新型コロナ対策の大規模なロックダウン(都市封鎖)を行なっており、そのため物流が滞っています。

Xi Jinping国家主席(Wikipedia)

欧州などでは、かなり緩和しているコロナ対策。

その中の、中国の「厳しすぎる」ロックダウンは、「不自然」ともいえるほどの厳しさです。

これは、コロナだけが理由ではなく、中国内部の政治的・経済的状況も理由にあるのでしょう。

ここ30年ほど、猛烈な経済成長を遂げた中国は、「バブル崩壊」を言われてきましたが、これまで乗り切っています。

「イノベーション推進」を前面に打ち出し続け、異例の成長を遂げた中国。

日本とは対照的です。

岸田文雄首相(Wikipedia)

ポーランドの動き

先日、マクロン仏大統領・ドラギ伊首相ら欧州四首脳が、キーウ訪問しました。

Mario Draghi伊首相(Wikipedia)

ウクライナへの強力な支援を続けることを、表明しました。

各国のウクライナへの軍事支援額は、約束した額・実施した額は下記です。

ウクライナ軍事支援額(Wall Street Journal)

米国がダントツですが、目を引くのは、ポーランドです。

ポーランドの軍事支援額は、英国を抜いて2位であり、しかも「約束を全額実行している」のです。

経済規模の大きなドイツは、大きな支援額を約束していますが、実行額はフランス・イタリア等と同程度です。

Scholz独首相(Wikipedia)

これは、長年良好な関係にあったロシアに対する「遠慮」もあるでしょう。

経済規模が比較的小さいにも関わらず、独仏伊を大きく上回る軍事支援を約束・実行しているポーランド。

かつては、ポーランドは、ワルシャワ条約機構の一員でした。

ワルシャワ条約機構(Wikipedia)

歴史的・地理的に、非常に難しい立場ながら「旗幟を鮮明にした」ポーランド。

欧州のフランス等の、さらなる結束と協力が求められます。

Emmanuel_Macron仏大統領(Wikipedia)
新地球紀行

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