前回は「ロシアの底力」の話でした。
ロシアの経済力
原油・天然ガス等の急騰により、強烈な制裁を受けているにも関わらず、ロシアの経済力は健全です。
ところが、その健全性は、あくまで数字上のことです。
欧州・米国などの制裁により、西側からロシアへの部品供給等が、ほぼ全てストップしています。
そして、ロシアの国産車「ラーダ・グランタ」は、欧州からの部品に頼っていたため、機能不全です。
新型の「ラーダ・グランタ」は、GPSもエア・バッグも付いていません。

これらの部品は、ロシアと友好関係にある、中国が部品供給すると考えられていました。
中国は、目下大変な危機の状況です。
中国政府の長期的戦略による「経済特区」によって、異常な経済発展を遂げた深圳市。
「アジアのシリコンバレー」と言われ、「奇跡の都市」と言われた「未来都市」とも言える深圳市。
中国は各都市で、新型コロナ対策の大規模なロックダウン(都市封鎖)を行なっており、そのため物流が滞っています。

欧州などでは、かなり緩和しているコロナ対策。
その中の、中国の「厳しすぎる」ロックダウンは、「不自然」ともいえるほどの厳しさです。
これは、コロナだけが理由ではなく、中国内部の政治的・経済的状況も理由にあるのでしょう。
ここ30年ほど、猛烈な経済成長を遂げた中国は、「バブル崩壊」を言われてきましたが、これまで乗り切っています。
「イノベーション推進」を前面に打ち出し続け、異例の成長を遂げた中国。
日本とは対照的です。

ポーランドの動き
先日、マクロン仏大統領・ドラギ伊首相ら欧州四首脳が、キーウ訪問しました。

ウクライナへの強力な支援を続けることを、表明しました。
各国のウクライナへの軍事支援額は、約束した額・実施した額は下記です。

米国がダントツですが、目を引くのは、ポーランドです。
ポーランドの軍事支援額は、英国を抜いて2位であり、しかも「約束を全額実行している」のです。
経済規模の大きなドイツは、大きな支援額を約束していますが、実行額はフランス・イタリア等と同程度です。

これは、長年良好な関係にあったロシアに対する「遠慮」もあるでしょう。
経済規模が比較的小さいにも関わらず、独仏伊を大きく上回る軍事支援を約束・実行しているポーランド。
かつては、ポーランドは、ワルシャワ条約機構の一員でした。

歴史的・地理的に、非常に難しい立場ながら「旗幟を鮮明にした」ポーランド。
欧州のフランス等の、さらなる結束と協力が求められます。
